使役文の作り方・意味・使い方|コアからわかる許可・強制・他動詞的用法【日本語教師向け・図解】

スポンサーリンク
使役文の作り方・意味・使い方|コアからわかる許可・強制・他動詞的用法【日本語教師向け・図解】 レシピ②文型
  1. この記事はこんな先生におすすめ
  2. 1分で読めるまとめ版
  3. ここがコア|使役文
    1. 🗝 鍵カード
    2. 🖌 イラストでイメージを掴む
  4. 基本構造と活用
    1. 使役文の基本構造
    2. 使役形の活用
  5. 使役文の作り方と格の変化|「に」と「を」
    1.  他動詞の使役文|動作主は「に」
    2. 自動詞の使役文|動作主は「を」
  6. 使役文の3つの意味用法|許可・強制・他動詞的表現
    1. ① 許可の使役|したい人にさせる
    2. ② 強制の使役|したくない人にさせる
    3. ③ 他動詞的な使役|動作・変化を引き起こす
  7. 無意志動詞の使役|「花を咲かせる」
    1. 無意志動詞の使役は「他動詞の代わり」になることがある
    2. 「意志」がなくても使役形は使える
  8. 「考えさせる」も使役?|心理的な反応を引き起こす使役
  9. 1分で読める整理表
    1. 使役文の基本構造
    2. 能動文→使役文の主語と助詞の変化
    3. 使役の3用法と「意志」
    4. 「基本的な使役」と「他動詞の代わりとしての使役」の違い
  10. 一発理解|使役文
    1. 🗝 鍵カード
    2. 🖌 イラスト図解集
  11. 参考書籍|もっと詳しく学びたい方へ
  12. 関連記事
    1. 「自動詞と他動詞の見分け方」の記事はこちら
    2. 「受身文」の記事はこちら
    3. 「使役受身文」の記事はこちら
    4. 「受身形の活用」の記事はこちら
    5. 「使役形の活用」の記事はこちら
    6. 「寝かせる・寝させる」の違いの記事はこちら
    7. 「自動詞の代わり」の記事はこちら
    8. 「他動詞の代わり」の記事はこちら
スポンサーリンク

この記事はこんな先生におすすめ

使役文、「誰かに何かをさせる文」と説明して終わっていませんか?

FOR TEACHERS

□「に/を」の違いをうまく説明できない。
□ 許可と強制の違いがあいまい。
□「花を咲かせる」など、無意志動詞の使役をどう説明するか迷う。
□ 他動詞的な使い方になると説明に迷う。

1分で読めるまとめ版

■ 使役文とは
使役主が加わり、人やものに動作・変化を起こさせる文。
・エマがピーマンを食べる。
→ 母親がエマにピーマンを食べさせる。

■ 他動詞・自動詞で助詞が変わる
・他動詞 → 動作主は「に」
母親がエマにピーマンを食べさせる。
・自動詞 → 動作主は「を」
母親がエマを走らせる。

■ 使役文の主な意味
・許可 → したい人にさせる
・強制 → したくない人にさせる
・他動詞的 → 使役主の働きかけによって、動作・変化を起こす

■ 無意志動詞にも使役形は使える
・花を咲かせる
・食べ物を腐らせる
※この場合も、命令して「させる」のではなく、
使役主の働きかけによって変化を起こす他動詞的な使い方。

■ ポイント:
使役文では、
「誰が動作・変化を起こしているか」
「動作主に意志があるか」
を見る。

ここがコア|使役文

🗝 鍵カード

鍵:使役文の鍵

🖌 イラストでイメージを掴む

許可

強制

他動詞的

基本構造と活用

使役文の基本構造

まず、使役文の基本的な構造を見てみましょう。

種類使役主(ガ格)動作主使役動詞
他動詞の使役母親がエマに食べさせる
自動詞の使役母親がエマを走らせる

使役形の活用

使役形の動詞の活用についてはこちらの記事をご参照ください。

使役形の作り方|活用一覧表とイラスト図解で活用の流れを整理【日本語教育】
日本語の使役形の作り方を活用一覧表とイラスト図解で整理。動詞グループ別の活用ルールや指導時の注意点まで、授業で説明しやすい形で解説します。

使役文の作り方と格の変化|「に」と「を」

使役文にすると、文の中に「使役主」が加わります。

【能動文】
→ 動作主が主語
【使役文】
→ 使役主が加わり、主語になる

もとの文の主語は、使役文では動作主として文の中に残ります。

 他動詞の使役文|動作主は「に」

【能動文】
エマがピーマンを食べます。
【使役文】
母親がエマにピーマンを食べさせます。
母親がエマにピーマンを食べさせる

使役文では、
・母親=使役主
・エマ=動作主(実際に「食べる」人)
となります。
そして、他動詞の使役文では、
もとの文で主語だった動作主「エマ」は、「に」で示されます。

 

「食べる」のは、使役文になってもエマですね。

他動詞 → 動作主は「に」
エマピーマンを食べる。

母親がエマピーマンを食べさせる。

自動詞の使役文|動作主は「を」

【能動文】
エマが走ります。
【使役文】
母親がエマを走らせます。
走らせる

使役文では、
・母親=使役主
・エマ=動作主(実際に「走る」人)
となります。
自動詞の使役文では、動作主は基本的に「を」で示されます。

こちらも、「走る」のは母親ではなくエマです。

自動詞 → 動作主は基本的に「を」
エマ走る。

母親がエマ走らせる。

 

他動詞・自動詞の見分け方についてはこちら

使役文の3つの意味用法|許可・強制・他動詞的表現

使役文は「~させる」という形ですが、意味は1つではありません。

たとえば、
母親が子どもにご飯を食べさせる。
この一文だけでは、「許可」なのか「強制」なのかはわかりません。

そこで注目したいのが「動作主の意志」です。

同じ「食べさせる」でも、動作主がどうしたいのか、

また、どのような働きかけによって動作が起こるのかによって、

意味が変わります。

① 許可の使役|したい人にさせる

例:母親が子どもにご飯を食べさせる。
許可

子どもは「もっと食べたい」と思っていますね。

この場合、母親は子どもの「食べたい」という意志を認めて、

食べることを許可しています。

許可の使役
→「したい」人にさせる
子ども:食べたい
母親:「いいよ」
使役主が、動作主の意志を認めて動作をさせる使い方です。

 

② 強制の使役|したくない人にさせる

例:母親が子どもにご飯を食べさせる。
強制

今度は、子どもは食べたくなさそうですね。

この場合、母親は「食べたくない」という子どもの意志に反して、
食べるように働きかけています。

強制の使役
→「したくない」人にさせる
子ども:食べたくない
母親:「食べなさい」
使役主が、動作主の意志に反して動作をさせる使い方です。

では、次の「食べさせる」はどうでしょうか。

③ 他動詞的な使役|動作・変化を引き起こす

例:母親が子どもにご飯を食べさせる。
他動詞的

これも同じ「食べさせる」ですが、許可とも強制とも少し違いますね。

赤ちゃんなど、自分だけではうまく食べられない相手に、

母親がご飯を口へ運んでいます。

この場合、
「食べたいから許可する」
「食べたくないのに強制する」
という動作主の意志の対立が中心ではありません。

母親の働きかけによって、

「子どもが食べる」という動作が起きています。

このように、使役主の働きかけによって動作・変化を引き起こす使役は、他動詞に近い働きをします。

他動詞的な使役
→ 使役主の働きかけによって、動作・変化を引き起こす

「させる=命令・許可」と考えるだけでは説明できない使役ですね。

無意志動詞の使役|「花を咲かせる」

使役形は、意志をもたないものの動作・変化にも使われます。

・花を咲かせる
・食べ物を腐らせる

花や食べ物に、「~しなさい」と命令しているわけではありませんよね。

無意志動詞の使役は「他動詞の代わり」になることがある

花が咲く。【自動詞】
この「咲く」には、ペアになる他動詞がありません。
そこで、使役形を使うと、
花を咲かせる。【使役形】
となります。

使役の用法:咲かせる

「咲く」のは花。

でも、その変化を引き起こしているものがあります。

たとえば、人が水や肥料を与えたり、温度を調整したりすることで、
「花が咲く」という変化を引き起こす
ことができます。

花が咲く。
→ 花自身の変化を表す
花を咲かせる。
→ その変化を引き起こす側から表す

無意志動詞の使役形は、他動詞のような働きをすることがある。

これは、自動詞・他動詞の記事で見た「他動詞の代わり」ですね。

「他動詞の代わり」の記事はこちら

「意志」がなくても使役形は使える

・子どもを走らせる。
→ 「走る」のは、意志をもつ人
・花を咲かせる。
→ 「咲く」のは、意志をもたないもの

つまり、

「意志があること」が使役文の条件ではありません。

動作主の意志の有無は、使役の意味を考える鍵になる。

では、「花を咲かせる」のような他動詞的な使役はどうでしょうか。

この場合は、

「したい/したくない」という意志が意味の中心ではありません。

・花を咲かせる
→ 花に意志はない
・赤ちゃんにご飯を食べさせる
→ 赤ちゃんに意志があっても、「したい/したくない」が中心ではない

他動詞的な使役では、動作主の意志よりも、

使役主の働きかけによって、動作・変化が引き起こされる

ことに焦点があります。

動作主の意志を見る

・動作主の「したい」という意志を認める
→ 許可
・動作主の「したくない」という意志に反してさせる
→ 強制
・動作主の意志より、動作・変化を引き起こすことに焦点がある
→ 他動詞的 

「考えさせる」も使役?|心理的な反応を引き起こす使役

では、こんな使役はどうでしょうか。

その話は、私にいろいろなことを考えさせた。

使役文(考えさせる)

この文では、
その話がきっかけとなって、私が「考える」
ということが起きています。
「考える」のは
その「考える」という心理的な動きを引き起こしたのが、その話です。

その話 → 私 → 考える

これも、先ほど見た「花を咲かせる」と同じように考えることができます。

花を咲かせる
→ 働きかけによって「花が咲く」という変化を引き起こす
その話が私に考えさせる
→ きっかけ・影響によって「私が考える」という心理的な動きを引き起こす

つまり、使役には、
「誰かに命令・許可して動作をさせる」だけでなく、
何かが原因やきっかけとなって、動作・変化・心理的な反応を引き起こす使い方もある。

こんな表現も

・その映画は、私を感動させた。
→「私が感動する」という心理的な変化を引き起こす
・そのニュースは、多くの人を驚かせた。
→「多くの人が驚く」という心理的な変化を引き起こす
・その話は、私にいろいろなことを考えさせた。
→「私が考える」という心理的な動きを引き起こす

動作主に意志がある場合でも、

「したい/したくない」が意味の中心ではない使役があるのですね。

・使役主は「人」とは限らない。
・原因やきっかけによって、動作・変化・心理的な反応を引き起こす使役もある。

1分で読める整理表

使役文の基本構造

種類使役主(ガ格)動作主使役動詞
他動詞の使役母親がエマに食べさせる
自動詞の使役母親がエマを走らせる

能動文→使役文の主語と助詞の変化

種類能動文使役文変化
他動詞エマがピーマンを食べる母親がエマにピーマンを食べさせる使役主が加わる/動作主「が」→「に」
自動詞エマが走る母親がエマを走らせる使役主が加わる/動作主「が」→「を」

使役の3用法と「意志」

用法動作主の意志使役主との関係
許可したいその意志を認める
強制したくないその意志に反してさせる
他動詞的意志が中心ではない/意志がないこともある働きかけによって動作・変化を引き起こす

「基本的な使役」と「他動詞の代わりとしての使役」の違い

種類もとの動詞ペア表す側ポイント
他動詞ドアを開ける開ける【他動詞】開ける/開く原因側他動詞そのもので原因側を表す
他動詞の代わり(使役形)花を咲かせる咲く【自動詞】✖/咲く原因側自動詞の使役形で原因側を表す

一発理解|使役文

🗝 鍵カード

鍵:使役文の鍵

🖌 イラスト図解集

許可

強制

他動詞的

母親がエマにピーマンを食べさせる

走らせる

使役の用法:咲かせる

使役文(考えさせる)

参考書籍|もっと詳しく学びたい方へ

当サイトで参考にしている文献は、こちらにまとめています。

参考文献一覧はこちら

このテーマをさらに詳しく確認したい方には、こちらの書籍も参考になります。

関連記事

「自動詞と他動詞の見分け方」の記事はこちら

自動詞・他動詞の違いと見分け方|コアからわかる「原因側・結果側」【日本語教師向け・図解】自他①
自動詞・他動詞の違いと見分け方を日本語教師向けに図解。「を=他動詞」では説明できない「空を飛ぶ」「家を出る」はどう考える?コアとなる「原因側・結果側」から、自他ペアやペアのない動詞まで整理します。

「受身文」の記事はこちら

受身文の作り方と助詞の変化|コアからわかる直接受身・間接受身【日本語教師向け・図解】
受身文は「が→に」「を→が」と助詞の変化だけで覚えていませんか?受身文の作り方を、誰の立場から出来事を見るかというコアから図解。基本の受身から、持ち物の受身、自動詞・他動詞の間接受身まで日本語教師向けに整理します。

「使役受身文」の記事はこちら

使役受身文とは?|コアからわかる能動・受身との違いと使い方【日本語教師向け・図解】
使役受身文は「嫌なことを無理やりさせられる文」だけではありません。能動文・受身文と比較しながら、主語と動作主の関係に注目して、使役受身文の意味と使い方をコアから図解します。日本語教師向け。

「受身形の活用」の記事はこちら

受身形の作り方|活用一覧表とイラスト図解で活用の流れを整理【日本語教育】
日本語の受身形の作り方を活用一覧表とイラスト図解で整理。動詞グループ別の活用ルールから学習者が混乱しやすいポイントまで、授業で説明しやすい形で解説します。

「使役形の活用」の記事はこちら

使役形の作り方|活用一覧表とイラスト図解で活用の流れを整理【日本語教育】
日本語の使役形の作り方を活用一覧表とイラスト図解で整理。動詞グループ別の活用ルールや指導時の注意点まで、授業で説明しやすい形で解説します。

「寝かせる・寝させる」の違いの記事はこちら

「寝かせる」と「寝させる」の違い|コアからわかる意味と使い分け【日本語教師向け・図解】自他④
「寝かせる」と「寝させる」は何が違う?他動詞「寝かせる」と、自動詞「寝る」の使役形「寝させる」の違いを、働きかけの距離と相手の意志というコアから図解。意味や使い分けを日本語教師向けにわかりやすく整理します。

「自動詞の代わり」の記事はこちら

「食べる」に自動詞はない?|ペアがない動詞と受身形の関係【日本語教師向け・図解】自他②
「食べる」のように、ペアになる自動詞がない動詞では「結果側」をどう表す?「食べる→食べられる」を例に、自動詞の代わりとして働く受身形の仕組みと、自動詞との違いを日本語教師向けに図解します。

「他動詞の代わり」の記事はこちら

「咲く」に他動詞はない?|ペアがない動詞と使役形の関係【日本語教師向け・図解】自他③
「咲く」のように、ペアになる他動詞がない動詞では「原因側」をどう表す?「咲く→咲かせる」を例に、他動詞の代わりとして働く使役形の仕組みと、他動詞との違いを日本語教師向けに図解します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました