この記事はこんな先生におすすめ

「を=他動詞」で教えると、どこかで破綻しませんか?
□「他動詞=を/自動詞=が」で教えている。
□「空を飛ぶ」「家を出る」をどう説明するか迷う。
□ 自動詞・他動詞の違いを、助詞以外から説明したい。
□「開ける/開く」などの自他ペアを、丸暗記ではなく整理したい。
1分で読めるまとめ版
■「を」がつく=他動詞、とは限らない
「を」には、動作の対象だけでなく、通過点・起点を表す用法もある。
・空を飛ぶ → 「空」は通過する場所
・家を出る → 「家」は出発する場所
→ 「飛ぶ」「出る」は自動詞
■ 他動詞=対象への働きかけ
主体が、何かに働きかける動作を表す。
・ドアを開ける
・電気を消す
■ 自動詞=主体の動き・変化・状態
ほかのものへの働きかけではなく、主体そのものの動き・変化・状態を表す。
・ドアが開く
・電気が消える
・鳥が飛ぶ
■ 自他ペアは「原因→結果」で見るとわかりやすい
・ドアを開ける → ドアが開く
・電気を消す → 電気が消える
働きかけ(原因)→ 変化(結果)
という関係になっている。
■ すべての動詞に自他ペアがあるわけではない
・食べる → 他動詞
・咲く → 自動詞
ペアがなくても、出来事の「原因側・結果側」という関係がなくなるわけではない。
■ ポイント
「を/が」だけで見分けるのではなく、
・他動詞 → 対象への働きかけ
・自動詞 → 主体の動き・変化・状態
を見る。
ここがコア|自動詞と他動詞の見分け方
🗝 鍵カード

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「を」をとる動詞はすべて他動詞?

他動詞と自動詞、どうやって見分けていますか?

「他動詞は、目的語をとる動詞」。
つまり、助詞「を」がつくかどうかで見分けています。

同じように覚えた人も多いのではないでしょうか。
たとえば、
「開ける」「消す」は、どちらも他動詞です。
(人が)ドアを開ける
(人が)電気を消す

では、これはどうでしょう。
空を飛ぶ
家を出る

どちらも「を」がついています。
では、「飛ぶ」「出る」も他動詞でしょうか?

ん?
「を」があるから他動詞……?
でも、「飛ぶ」は自動詞ですよね。

そうなんです。
「飛ぶ」も「出る」も自動詞です。
では、なぜ「を」がつくのでしょうか。
「を」で見分けるときの落とし穴

「を」がつく=他動詞
という覚え方は、基本をつかむ上では便利です。
ただし、「を」だけで自動詞・他動詞を判断することはできません。
なぜなら、助詞「を」は、動作の対象だけを表すわけではないからです。
・空を飛ぶ
→ 「空」は、飛ぶという移動の通過する場所
・家を出る
→ 「家」は、出るという移動の起点
→ ドアを開ける/電気を消す
→ 空を飛ぶ/家を出る
| 表現 | 動詞 | 「を」の役割 | 自動詞/他動詞 |
|---|---|---|---|
| 空を飛ぶ | 飛ぶ | 通過する場所 | 自動詞 |
| 家を出る | 出る | 起点 | 自動詞 |
| ドアを開ける | 開ける | 動作の対象 | 他動詞 |
| 魚を食べる | 食べる | 動作の対象 | 他動詞 |

だから、
「を」があるかどうかだけでは、自動詞・他動詞は見分けられない
ということですね。
では、何を見ればいいのでしょうか。
自他ペアを「原因側・結果側」で見る

では、自動詞・他動詞のペアを見てみましょう。


「他動詞は『を』、自動詞は『が』」
という形で覚えた人も多いと思います。
もちろん、これは自他動詞の基本として大切です。
でも、ここでは
助詞ではなく、二つの動詞が表している出来事に注目してみましょう。
「開ける」と「開く」はどう違う?
(人がドアを)開ける
↓
(ドアが)開く



「開ける」と「開く」は、別々の出来事ではありません。
人がドアに働きかける
↓
その結果、ドアが開く
という一つの出来事を、違う側から表しています。

→ 人が対象に働きかける
→ 対象に動き・変化が起こる
自他ペアには「原因→結果」の関係がある

ほかのペアも同じように考えてみましょう。
・ドアを閉める → ドアが閉まる
・物を出す → 物が出る
働きかけ【原因側】→ 動き・変化【結果側】
という関係を見ることができる。

なるほど。
「を」「が」だけを見るんじゃなくて、
その出来事のどちら側を表しているかを見るんですね。

そうです。
これが、自動詞・他動詞を考えるときの鍵です。
ペアがない動詞はどう考える?

でも、それって「開ける/開く」のように、
自動詞と他動詞のペアがある場合だけですよね?
ペアがない動詞は、どう考えるんですか?

たしかに、すべての動詞に自他ペアがあるわけではありません。
たとえば、
・食べる → 他動詞のみ
・咲く → 自動詞のみ

「咲く」には、ペアとなる他動詞がありませんね。
これは、花に変化が起きた結果側を表しています。
花が咲く。


でも、ペアになる他動詞がないなら、
原因側は表せないってことですか?

そうですね。
「咲く」に対応する他動詞はないので、
花を咲くとは言えません。
× 花を咲く

では、こんな場面はどうでしょう。


人が何かをして、花が咲いた。
つまり、
何かが花に働きかける【原因側】
↓
花が咲く【結果側】
という出来事そのものは考えられます。
ペアがない=原因・結果がない、ではない

ここが大切です。
動詞に自他ペアがないことと、
出来事に原因側・結果側がないことは別である。

「咲く」には、ペアとなる他動詞はありません。
でも、物語や想像の世界なら、
「おじいさんが灰をまいた」
↓
「花が咲いた」
のように、花が咲く原因を自由に考えることができます。
→ 原因側・結果側を、それぞれ対応する動詞で表せる。
→ 対応する動詞はなくても、
原因側・結果側という関係までなくなるわけではない。

なるほど。
「ペアがあるか」と「原因・結果があるか」は別なんですね。

そうです。
だから、自他動詞を考えるときも、
原因側か、結果側か。
という見方ができます。
| 関係 | 原因側 | 結果側 | 自他ペア |
|---|---|---|---|
| ドア | ドアを開ける【他動詞】 | ドアが開く【自動詞】 | あり |
| 電気 | 電気を消す【他動詞】 | 電気が消える【自動詞】 | あり |
| 食べる | 魚を食べる【他動詞】 | ― | なし |
| 咲く | ― | 花が咲く【自動詞】 | なし |
※「―」は、対応する自動詞・他動詞がないことを表します。
なお、対応する自動詞・他動詞がない場合でも、
受身や使役を使って表現できることがあります。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
▶ ペアになる自動詞がないとき|受身でどう表す?
▶ ペアになる他動詞がないとき|使役でどう表す?
1分で読める整理表
「を」をとる動詞はすべて他動詞?
| 表現 | 動詞 | 「を」の役割 | 自動詞/他動詞 |
|---|---|---|---|
| 空を飛ぶ | 飛ぶ | 通過する場所 | 自動詞 |
| 家を出る | 出る | 起点 | 自動詞 |
| ドアを開ける | 開ける | 動作の対象 | 他動詞 |
| 魚を食べる | 食べる | 動作の対象 | 他動詞 |
「原因側・結果側」で考える自他動詞
| 関係 | 原因側 | 結果側 | 自他ペア |
|---|---|---|---|
| ドア | ドアを開ける【他動詞】 | ドアが開く【自動詞】 | あり |
| 電気 | 電気を消す【他動詞】 | 電気が消える【自動詞】 | あり |
| 食べる | 魚を食べる【他動詞】 | ― | なし |
| 咲く | ― | 花が咲く【自動詞】 | なし |
一発理解|自動詞と他動詞の見分け方図解まとめ
🗝 鍵カード

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