条件「たら」とは?|コアイメージで4つの条件文を整理【日本語教師向け】

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条件「たら」とは?|コアイメージで4つの条件文を整理【日本語教師向け】 レシピ②文型
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この記事はこんな先生におすすめ

「条件の『たら』って、『もし〜なら』で説明すれば本当に十分?」
授業でそう感じたことはありませんか?

FOR TEACHERS

□「たら=もし」と教えている。
□ 条件の種類ごとの違いを理解したい。
□「たら」が使えない文も整理したい。

1分で読めるまとめ版

■ 基本イメージ
Aのあとで、B

■ 特徴
① 時系列を表す
② 後件で意志表現が使える
③ 会話でよく使われる

■ 条件の種類
・仮定条件
・確定条件
・一般条件
・反事実条件
※すべてで使える。

■ ポイント:
「たら」の最大の特徴は、「A→Bの時間の流れ」である。

それでは、この記事のコアを確認しましょう。

ここがコア|「たら」

🗝 鍵カード

鍵:たら

「たら」は結果よりも、

まず時間の流れを見ると理解しやすいですよ。

🖌 イラストでイメージを掴む

条件「たら」基本イメージ

条件「たら」とは?

前の文(前件):「ある出来事」
後の文(後件):「そのあとに起こること・すること」

ポイント整理

①時系列を表す
②後件で意志表現が使える
③会話でよく使われる

「たら」を理解するコツは、

まず『AのあとでB』という時間の流れをつかむことです。

実は、この3つのポイントも、すべてこのイメージから説明できます。

これから1つずつ見ていきましょう。

①「たら」は時系列を表す

「たら」のコアイメージは、

やはり『AのあとでB』です。

まずは、この時間の流れをしっかり押さえましょう。

ポイント整理

Aたら、B
= Aが起きたあとで、Bが起こる/起こす
・前件→後件の順番になる
・「〜してから、そのあと…」に近い
・後件に注目が集まりやすい

例文

・家に帰ったら、電話します。
・雨が降ったら、試合は中止です。
・授業が終わったら、帰ります。
→ AのあとでBが起こる

時系列がずれるとどうなる?

例1
×もし明日雪が降ったら、今日長靴を買っておきます。

この文に少し違和感があるのは、

「たら」の時系列と、文の内容の時系列がずれているからです。

【文の流れ】
×② 明日雪が降ったら
↓
×① 今日長靴を買っておきます
でも実際の時間の流れは…
① “今日”長靴を買う
↓
② “明日”雪が降る

つまり、

後件の出来事が前件より先に起きているため、不自然に聞こえるのです。

例2
〇 明日雪が降ったら、長靴をはいて家を出ます。

【文の流れ】
〇① 明日雪が降る
↓
〇② 長靴をはいて家を出る
時間の流れに違和感がない
→「たら」が使える

「たら」を見たらまず、

『AのあとでBになっているかな?』

と考えてみましょう。

この時系列が、「たら」のいちばん大切なポイントです。

②「たら」は後件で意志表現が使える

「たら」は後件で意志表現を使うことができます。

意志表現の例

・~しよう
・~しましょう
・~してください
・~たいです

例文

・雨が降ったら、帰りましょう。
・家に着いたら、電話してください。
・時間があったら、映画を見たいです。

「たら」は、

『Aのあとで、そのときどうする?』

という流れを表します。

そのため、後件で判断・意志・依頼を述べやすいのです。

意志表現が使えない時

ただし、これは主に仮定条件と確定条件の場合です。

一般条件や反事実条件では、後件に意志表現は基本的に使えません。

 

【意志表現】
〇仮定条件
〇確定条件
×一般条件
×反事実条件
※詳しくは後半の「条件の種類別『たら』」で解説します。

意志表現は、

「これからどうするか」を表す表現です。

一方、

一般条件は「いつもそうなること」、

反事実条件は「すでに終わった過去の話」。

そのため、意志表現とは相性がよくありません。

③「たら」は会話的な表現

「たら」は、条件表現の中でも特に会話でよく使われる表現です。

話し言葉の例

・駅に着いたら、電話して。
・時間があったら、コーヒーでも飲もう。
・帰ったら、ゆっくり休んでね。
→日常会話でとても自然に使われる。

「たら」は、

やわらかく、親しみやすい表現なので、

会話で使われることが多いです。

書き言葉の例

もちろん、「たら」は会話だけの表現ではありません。

・春になったら、桜が咲き始める。
・日本に来たら、まず寿司を試してみるとよいでしょう。
→教科書やガイドブックなどでも自然に使われる。

「ば」「と」が選ばれることもある 

ただし、
論文・報告書・説明文・マニュアルなど、
論理性や客観性が重視される文章では、
「たら」はやや会話的に感じられることがあります。
その場合は、
・「ば」
・「と」
が選ばれることも少なくありません。

「たら」は会話寄り、

「ば」「と」は説明寄り、

と覚えておくと使い分けを整理しやすいですよ。

条件の種類別「たら」

「たら」は条件表現ですが、

実は使われる条件の種類によって少しずつ見え方が変わります。

ここでは、

・仮定条件
・確定条件
・一般条件
・反事実条件

の4つに分けて整理してみましょう。

▶ 条件の種類に関する記事はこちら

仮定条件の「たら」

前の文(前件):「起こるか分からないこと」
後の文(後件):「そうなったときどうするか・どうなるか」

 

ポイント整理

・「もし」と相性が良い
・未来の想像を表す
・「そのときどうするか」を述べる文に自然
・後件で意志表現が使える
・会話でよく使われる

例文

・もし雨が降ったら、出かけません。
・時間があったら、映画を見ます。
・1日50時間あったら、何をしますか。

 

「もし~たら」は、

学習者が最初に覚える定番パターンですね。

確定条件の「たら」

前の文(前件):「起こることが前提になっている出来事」
後の文(後件):「そうなったときどうするか・どうなるか」

 

ポイント整理

・起こることを前提にした未来を表す
・「もし」はあまり使わない
・「~したあとで」に言い換えやすい
・後件で意志表現が使える
・予定や順序を表す場面でよく使う

仮定条件との違いは、

「起こるか分からない未来」ではなく、

「起こることを前提にしている未来」

であることです。

例文

・家に帰ったら、電話します。
・授業が終わったら、先生に聞きます。
・仕事が終わったら、飲みに行きませんか。

「~したあとで」に言い換えやすい

確定条件の「たら」は、
起こることが決まっている出来事を順番に述べることが多いため、
「~したあとで」に言い換えられる場合がよくあります。

例文

・家に帰ったら、電話します。
→ 家に帰ったあとで、電話します。
・授業が終わったら、先生に聞きます。
→ 授業が終わったあとで、先生に聞きます。

一般条件の「たら」

前の文(前件):「ある条件や出来事」
後の文(後件):「その結果として、いつも起こること」

 

ポイント整理

・習慣・法則・一般的な関係を表す
・後件は自然な結果になる
・意志表現は基本的に使えない
・「と」が最も典型的
・「たら」も時系列に注目すると使える

 

一般条件では、

「Aになると、いつもBになる」

という関係を表します。

そのため、後件に命令・依頼・意志表現は基本的に使えません。

例文

・この薬を飲んだら、眠くなります。
・夜になったら、家の中が静かになります。
・冬になったら、この地域では雪が降ります。

なぜ一般条件でも「たら」が使えるの?

一般条件と聞くと、
「と」の文を思い浮かべる先生も多いでしょう。
たしかに、「と」が最も典型的な表現です。
しかし、「たら」も使うことができます。
それは、「たら」が時系列を表す表現だからです。

例文

・この薬を飲んだら、眠くなります。

薬を飲む
↓
そのあと眠くなる

・夜になったら、家の中が静かになります。

夜になる
↓
そのあと静かになる

このように、

一回一回の出来事の流れとして捉えると、

一般条件でも「たら」を使うことができます。

「と」との違い

【比較】

・この薬を飲むと、眠くなります。
・この薬を飲んだら、眠くなります。

どちらも自然ですが、

少し見方が違います。

「と」

Aになる、自動的にBになる
↓
法則・仕組み・一般的な関係

 

「たら」

Aが起きる、そのあとBが起きる
↓
出来事の流れ・時系列

「と」は結果の法則に注目する表現、

「たら」は出来事の流れに注目する表現です。

同じ内容でも、

見ている方向が少し違うんですね。

一般条件で意志表現は使えない

一般条件は、
「いつもそうなること」を表します。
そのため、後件に意志表現が現れると、
一般条件としては解釈できなくなります。

例文

〇 この薬を飲んだら、眠くなります。
(一般条件)
〇 この薬を飲んだら、帰りましょう。
(一般条件ではなく、話し手の提案を表す)

「文が不自然」なのではなく、

「条件の種類が変わる」

と考えると整理しやすいですよ。

反事実条件の「たら」

前の文(前件):「実際には起こらなかった過去のこと」
後の文(後件):「その結果どうなったか(実際とは違う想像)」

 

ポイント整理

・実際とは違う過去を想像する
・後悔・残念・安堵などの気持ちを表しやすい
・「もし」と相性が良い
・後件で意志表現は使えない
・過去の出来事を振り返る文でよく使われる

 

反事実条件では、

「実際には起きなかったことが起きていたら」

という想像をします。

つまり、

過去をやり直すようなイメージです。

例文

・昨日早く寝ていたら、今日は元気だったのに。
(実際は早く寝なかった)
↓
(だから今は元気ではない)
・身分証を忘れていたら、この書類は発行できませんでした。
(実際は忘れなかった)
↓
(だから発行できた)
・もっと勉強していたら、合格できたかもしれません。
(実際は十分に勉強しなかった)
↓
(だから合格できなかった)

なぜ「たら」がよく使われるの?

「たら」は『AのあとでB』という時系列を表す表現でした。
反事実条件でも、
実際には起きなかった出来事を、
あたかも起きたかのように順番に想像します。

例文

昨日早く寝ていたら
↓
今日は元気だった
もっと勉強していたら
↓
合格できた

このように、

過去の出来事と結果を時系列でたどるため、

反事実条件でも「たら」がよく使われます。

反事実条件で意志表現は使えない

反事実条件は、
すでに終わった過去の話です。
そのため、
後件に意志・命令・依頼などの意志表現は基本的に使えません。

例文

× もっと勉強していたら、合格しましょう。
× 早く出ていたら、電車に乗りましょう。

反事実条件は、

「昔の話をやり直して想像する文」です。

だから、

「これからどうするか」

を表す意志表現とは相性がよくないんですね。

「たら」接続

接続一覧表

品詞接続
動詞た形 + ら
い形容詞~かったら
な形容詞~だったら
名詞~だったら

「たら」は『普通形の過去+ら』で作ります。
特に動詞はた形が基本です。

▶た形の作り方はこちら

「たら」の接続

・行く→行ったら
・高い→高かったら
・静かだ→静かだったら
・先生→先生だったら

1分で読める整理表

基本イメージ「たら」

用法意味例文ポイント
時系列Aが起きたあとでBが起こる家に帰ったら、電話します。AのあとにBが起きる流れを表す
意志表現後件で意志・依頼・命令が言える雨が降ったら、帰りましょう。「~しよう」「~してください」などが自然
会話的日常会話でよく使われる暇だったら、遊びに来てください。条件表現の中でも柔らかい響き

条件種類別「たら」

条件の種類使えるコアイメージ
仮定条件〇もしそうなったら
確定条件〇起こったあとどうする
一般条件〇そのあと自然にそうなる
反事実条件〇昔こうだったら

一発理解|「たら」の図解まとめ

🗝 鍵カード

鍵:たら

🖌 イラスト図解

条件「たら」基本イメージ

参考書籍|もっと詳しく学びたい方へ

当サイトで参考にしている文献は、こちらにまとめています。

▶ 参考文献一覧はこちら

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