概要:条件「たら」の基本イメージ

まず、条件文は
「Aという条件のもとで、Bが起こる」という形でしたね。
そして、条件「たら」の基本イメージは、
❶ 時系列を表す
❷ 後件で意志表現が使える
❸ 会話的である
の3つです。

【まずは「条件の種類」をおさえよう】

1分で読めるまとめ版
✔ 条件「たら」とは
「あることが起きたあとで、どうなるか・どうするか」を表す表現。
✔ 基本の特徴
① 時系列を表す
→ Aが起きたあとでBが起こる
② 後件で意志表現が使える
→ 「〜しよう」「〜してください」などが言える
③ 会話的でやわらかい表現
→ 日常会話でよく使われる
✔ 条件の種類別「たら」
【仮定条件】
(もし)雨が降ったら、出かけません。
→ 起こるかどうかわからない未来
【確定条件】
家に帰ったら、電話します。
→ 起こることが前提の未来
【一般条件】
この薬を飲んだら、眠くなります。
→ いつもそうなる自然な結果
【反事実条件】
昨日早く寝ていたら、元気だったのに。
→ 実際とは違う過去の想像
✔ 条件以外の「たら」
・発見:ドアを開けたら、猫がいた
・前提:加藤さんだったら、もう帰りましたよ
・軽い仮定:よかったら、一緒に行きませんか
1分で読める整理表
| 用法 | 意味 | 例文 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 基本イメージ | AのあとでBが起こる | 家に帰ったら、電話します。 | 時系列を表す |
| 仮定条件 | 起こるか不明な未来 | 暇だったら、手伝ってください。 | 後件に意志表現OK |
| 確定条件 | 起こることが前提の未来 | 授業が終わったら、先生に聞きます。 | 「~したあとで」に近い |
| 一般条件 | いつもそうなる結果 | この薬を飲んだら、眠くなります。 | 「と」の方が自然なことも多い |
| 反事実条件 | 実際とは違う過去 | 昨日早く寝ていたら、今日は元気だったのに。 | 後件に意志表現NG |
| 発見の用法 | その場で気付いた事実 | ドアを開けたら、猫がいた。 | 「と」も使える |
| 前置きの用法 | 話題提示 | 加藤さんだったら、もう帰りました。 | 「なら」に近い |
| 軽い仮定 | 配慮ある誘い・依頼 | よかったら、どうぞ。 | やわらかい表現 |
1発理解のイラスト集
条件「たら」基本イメージ

条件じゃない「たら」①

条件じゃない「たら」②

条件じゃない「たら」③

条件「たら」とは?3つの基本の意味

条件「たら」は、
「あることが起きたあと、どうなるか・どうするか」を表す表現です。
日常会話でよく使われる、もっとも基本的な条件表現の一つです。
条件文の種類については、こちらの記事で整理しています。
【条件文4種類のまとめ記事はこちら】


今回は、この条件「たら」の使い方をじっくり見ていきましょう。

はーい!
「たら」って、私もよく使うし、とても身近な表現に感じます。
①「たら」は時系列を表す

「〜してから、そのあと…」という流れ。つまり
ある出来事が起きたあとで、次のことが起こる・起こすことを表す条件表現です。

時間の流れを表すんですね。
= Aが起きたあとで、Bが起こる/起こす
例)
・家に帰ったら、電話します。
・雨が降ったら、試合は中止です。
→ 「AのあとにB」が起こる。
時系列がずれるとどうなる?

時系列を意識すると、「たら」の使い方がよく分かります。
例えば、次の文を見てみましょう。

この文に少し違和感を覚えるのは、
「たら」が表す時系列と、文の内容の時間関係がずれているからです。

そうか。
時系列で考えると、
①「今日長靴を買っておく」→ ②「明日雪が降る」
の順番になっていないから、少し違和感が出るんだね。

①「雪が降る」→ ②「長靴をはいて家を出る」
このように、①のあとに②が起こるという
時系列に沿った関係なら、自然に「たら」が使えます。
②「たら」は後件で意志表現が使える

条件「たら」は「〜たら、〜しよう/〜してください」
のように、後件で意志表現が使えます。
つまり、「その場の判断が可能」であるということです。

条件文で、後件に意志表現を置けると聞いたことがあるけど、「たら」のことだったんだね!

そうです。
ただし、後件で意志表現が使えるのは、仮定条件・確定条件のみで、一般条件・反事実条件では基本的に使えません。
(後ほどの条件種類別で詳しく解説します)
【その前に「条件の種類」を確認しておきましょう】

③「たら」は会話的な表現

「たら」の使用感は、やわらかく、日常会話でよく使われることです。。
例:
• 駅に着いたら、電話して。
• 時間があったら、コーヒーでも飲もう。

とても自然で、日常会話そのものですね。
だから「たら」は、身近に感じられるんですね!

でも、書き言葉でも使えないわけではないのです。
例:
• 春になったら、桜が咲き始める。
• 日本に来たら、まず寿司を試してみるとよいでしょう。

確かに、教科書やガイドブックなどに載っていそうだね。

ただし、論文や報告書、マニュアルなどのように、
論理性や客観性が重視される文章では、
「たら」ではやや口語的に感じられることがあります。

その場合は、どういった表現が良いのでしょうか。

やや硬く、客観的・説明的な文体で表現する時は、
「~ば」「~と」が好まれます。
「たら」の接続(つくり方)
「たら」接続の基本ルール

「たら」は、過去形+らで作ります。
動詞+たら

動詞普通形の過去は、た形で表せましたね。
た形のつくり方は以下をご参照ください。
【た形のつくり方はこちら↓↓】

い形容詞+たら
例:
・高い → 高かったら
・寒い → 寒かったら
【補足】い形の過去形
→ ~
例) 高い → 高かった

い形容詞の過去形は、
~い+かった
で表せます。
な形容詞+たら
例:
・暇だ → 暇だったら
・静かだ → 静かだったら
【補足】な形容詞の過去形
→ ~だった
例) 暇だ→暇だった

な形容詞の過去形は、
~だった
で表せます。
名詞+たら
例:
・先生だったら
・雨だったら
【補足】名詞の過去形
→ 名詞+だった

名詞の過去形は、
名詞+だった
で表せましたね。
仮定条件の「たら」とは?

まず、仮定条件とは何か、復習しましょう。
【仮定条件の記事はこちら↓↓】

仮定条件「たら」の例文
②(もし)暇だったら、手伝ってください。
③(もし)1日50時間あったら、何をしますか。

簡単に言うと、
仮定条件とは「『もし〜たら』などを使って、起こるかどうかわからない未来のことを想定する文型」でしたね。

日常会話でよく使われますよね。
①の文が定番型ではないでしょうか。

「たら」は、Aが起きたあとでBが起こるという時系列を表すんだよね。
だから「これからどうするか」「何が起こるか」という後件の内容に自然と注目が集まるね。

②の文のように、後件で意志表現を使うことができるのも、その特徴の一つってことか。

そうですね、仮定条件「たら」では、後件に意志表現が使えることが大きな特徴の一つでもあります。

私、ずっと仮定条件では
「起こるかどうかわからないこと」が前件に来ると思っていたのですが、
③の文が成り立つところを見ると、
「絶対に起こらないこと」も前件に使えるんですね。

そうですね。
仮定条件における前件の内容は、
「実際に起こる可能性があること」から
「現実には起こらないこと」まで、
幅広く設定することができます。
仮定条件「たら」まとめ
① 時系列で表し、後件に注目が集まる。
② 後件で意志表現を使うことができる。
③ 前件の内容は「起こる可能性があること」から
「現実には起こらないこと」まで幅広く設定できる。
(※これは仮定条件そのものの特徴)
確定条件の「たら」とは?

確定条件の詳細は以下をチェック!
【確定条件についてはこちら↓↓】

確定条件「たら」の例文
② 授業が終わったら、先生に聞きます。
③ 仕事が終わったら、飲みに行きませんか。

確定条件は、前件で「起こることが前提になっている未来のこと」を言う文でしたね。

だから、仮定条件のように
「もし〜たら」
という言い方は、あまりしないんですよね。

必ず起きるだろう流れの中で、
時系列に沿って順番に述べる感じだね。
それで言うと、「〜したあとで」に言い換えられることが多いのかな。

そうですね。
「〜したあとで」に言い換えられるのは、
確定条件だからというより、
「たら」が時系列を表す表現だからです。

あ、③を見ると後件が意志表現になっていますね。
確定条件でも後件に意志表現を持ってくることができるんですね。

はい。それに、どれも日常会話で自然と使われる表現です。
確定条件でも「たら」の特徴は大いに感じられますね。
確定条件「たら」まとめ
① 必ず起きるだろう流れの中で時系列で表し、後件に注目が集まる。
② 「~したあとで」に言い換えられることが多い。
③ 後件で意志表現を使うことができる。
一般条件の「たら」とは?

一般条件についての再確認は以下をご覧ください。
【一般条件についてはこちら↓↓】

一般条件「たら」の例文
② 夜になったら、家の中が静かになります。

一般条件は、「いつも起きる自然な結果」
を表す文でしたよね。

そうです。つまり、
「Aになると、いつもBになる」
という一般的な関係を表す文です。

あのー、一般条件ってそもそも「と」の文じゃないんですか?

たしかに、「と」がいちばん典型的な形です。
でも、例文のように「たら」も使うことができます。

「と」を使った方が自然に聞こえることが多いよね。
どうして「たら」も言えるのでしょうか。

では今回は、「たら」と「と」を比べながら見ていきましょう。
なぜ「と」の方が自然なの?
一般条件の特徴

まず、一般条件の文は、
「Aになる → いつもBになる」
を表しましたね。

先ほどの例文を見ても、
「薬の効果」だったり、「時間の流れ」だったりと、
自然に起きる結果を言っていますもんね。

そうです。だから、ここには
・話し手の判断
・話し手の意志
・その場の決定
などは入りません。
・自然に起きること
・誰の意志でもコントロールできないこと
✖ 話し手の判断
✖ 話し手の意志
✖ その場の決定
「と」の特徴

そして「と」の最大の特徴は、
「機械のスイッチのように、Aが起きたら自動的にBが起きる」
という関係を表すのが得意であることです。
Aが起きたら自動的にBが起きる

なるほど。
だから、一般条件と「と」は相性良いんですね。

はい。
「と」についての詳細は、
こちらの記事で深堀していますので、是非ご参考にしてください。
でも、なぜ「たら」も使えるの?

ん~、「と」についてはすっきりしたけど、今回は「たら」の話。
一般条件で「たら」を使えるのはどうしてだろう。

では、時間における「たら」の特徴は何でしたか?

あ、時系列!

そうですね。「たら」には、
「ある出来事が起きたあと、その結果が起きる」
という、時間の流れを表す意味がありましたね。
時系列を表す

つまり、
薬を飲む → そのあと眠くなる
② 夜になったら、家の中が静かになります。
夜になる → そのあと静かになる

このように、一回一回の出来事の流れとしてとらえると、
「たら」でも言うことができますね。
一般条件「と」と「たら」の違いはココ!

結局のところ、「と」と「たら」の違いって何でしょう。

それは……、
「と」:Aになると、自動的にBになる(機械的・法則的な関係)
「たら」:Aが起きたあとで、Bが起きる(時間の流れとして捉える)

という視点の違いです。
そのため、一般条件では
「自動的な結果」を表す「と」の方が
より自然に聞こえることが多いのです。
一般条件「たら」まとめ
① 「Aになると、いつもBになる」という自然な結果を表す。
(※これは一般条件そのものの特徴)
② 「Aが起きたあとで、Bが起きる」という時系列の流れとして捉えることができる。
③ 一般条件では「と」の方が、より自然に聞こえることが多い。
反事実条件の「たら」とは?

反事実条件の解説は以下の記事をご覧ください。
【反事実条件についてはこちら↓↓】

反事実条件「たら」の例文
①(もし)昨日早く寝ていたら、今日は元気だったのに。
(=実際は早く寝なかった → 今は元気じゃない)
【安堵】
②(もし)身分証を忘れていたら、この書類は発行できませんでした。
(=実際は持っていた → 発行できた)

反事実条件とは、「実際とは違う過去を想像して話す」条件文でしたね。
「後悔」や「安堵」の気持ちを表すことができます。

「たら」は時系列を表すから、後件に注目が行きやすいね。
「もし」もつくし、形は仮定条件に少し似ていますね。

じゃあ、後件に意志表現も使えるかな?

いいえ。反事実条件の場合、後件で意志表現はつかえません。
反事実条件は、すでに終わった過去の話。
だから、もうコントロールできない行為なのです。
✔ すでに終わった過去
✔ 実際とは違う想像
【意志表現】
✔ これからどうするか
✔ まだコントロールできる行為
例:
・勉強しよう
・行きましょう
・電話してください
つまり、
× もうコントロールできない
× これからどうするか決められない
だから、反事実条件では使えない。
反事実条件の不自然な例
✖ 早く出たら、電車に乗りましょう。
→ 過去の話なのに、未来の意志を言っている
→ 時間の軸がずれてしまう

本当だ。後件に意志表現がくると、
反事実条件の文としては、おかしいね。

「後悔」や「安堵」のような感情も見られませんね。

「早く出たら、電車に乗りましょう。」は、反事実条件(過去の話)だと非文だけど、仮定条件(未来の話)だと成り立ちますもんね。
【反事実条件×仮定条件】比較表
| 時間 | 種類 | 意志表現 |
|---|---|---|
| 未来 | 仮定条件 | 〇 置ける |
| 過去(実現しなかった) | 反事実条件 | ✕ 置けない |
反事実条件「たら」まとめ
① 実際には起きなかった過去を、時系列の流れで想像しながら結果を述べる。
② 後件には、後悔・残念・安堵などの感情が込められることが多い。
③ 後件で意志・命令・依頼などの意志表現は使えない。
番外編:条件以外の「たら」
① 発見の用法:ドアを開けたら、猫がいた

あのう、
「ドアを開けたら、猫がいた」はどの条件に当てはまりますか?

この文は、条件文ではありません。
これは「~たあとで、~た」
という、実際に起きた過去の出来事を表す用法です。
特に、実際に起きた過去の出来事の中で、
前件をきっかけに、その場で新しい事実に気づく
という意味を表すとき、
これを「発見の用法」と呼びます。
例)ドアを開けたら、猫がいた。
特徴:
• 実際に起きた出来事
• その場で気づいた事実
• 主観的体験

これは、「たら」だけに見られる用法なのですか?
他の表現には見られないのでしょうか。
「発見」の意味は、「と」にも見られる

いいところに気がつきました。
実は、発見の用法は「と」にも見られます。

では、違いは何でしょうか。
大きな違いは、
・「たら」=話し手の体験として語る
・「と」=出来事の流れを客観的に描写する
という視点の違いです。
【発見の用法:「たら」と「と」の違い】

・「たら」:その場で気づいた、個人的な体験・驚き
・「と」:出来事を客観的に描写する言い方
② 前置きの用法:加藤さんだったら、もう帰りましたよ

「加藤さんだったら、もう帰りましたよ」
この「たら」は、明らかに条件文や発見の用法とは違いますよね。

この「たら」は、
「〜について言うなら」
「〜のことなら」
というように、
話題を取り上げる前置きとして使われています。
例)
・加藤さんだったら、もう帰りましたよ。
・そういえば、加藤さんだったら、さっき来ましたよ。
意味:
「加藤さんについて言うなら」
特徴:
・会話でよく使われる
・話題を提示する前置き表現
・「なら」に近い意味になる

なるほど。
じゃあ、「たら」は「なら」と同じですか?

この用法では、「なら」とかなり近い意味になります。
たとえば、
・加藤さんだったら、もう帰りましたよ。
・加藤さんなら、もう帰りましたよ。
どちらも自然な文ですね。
【前置きの用法:「たら」と「なら」の違い】

・「たら」:自然で会話的。思い出したように話題を出す感じ
・「なら」:その話題について、情報として答えている感じ
③ 軽い仮定の用法:よかったら、一緒に行きませんか

「よかったら、一緒に行きませんか」や「よかったら、食べませんか」って日常会話でよく使いますよね。
これらも、前置きの用法だね。

あ、でも「もしよかったら、」って言えるから、仮定条件じゃない?

ん~、でも条件文の「たら」とは少し違う感じがしませんか?

たしかに、
「もし良いという条件が成立したら…」
という厳密な条件というより、
「無理じゃなければ」
「都合がよければ」
という、軽い気持ちで言っている感じがしますね。

そうなんです。
この「たら」は、
相手への配慮を表すための
やわらかい前置きとして使われています。
例)
・よかったら、一緒に行きませんか。
・よかったら、どうぞ。
・よかったら、また明日来てください。
意味:
「無理じゃなければ」
「都合がよければ」
特徴:
・相手への配慮を表す言い方
・断ってもいい、という気持ちを含む
・依頼や誘いをやわらかくする


何だか、「あなたの判断に任せます」みたいなメッセージを含んでいる感じがするね。
前にどこかの記事で出てきた「ぼかし表現」や「高コンテキスト文化」を思い出すな。

そうですね。
「よかったら〜」は、日本語らしい配慮表現の一つです。
相手に選択の余地を残し、直接的な命令や依頼を避ける言い方です。
これは、言葉にしない部分を察する文化(高コンテキスト文化)とも関係があります。
ちなみに、ぼかし表現とは断定を避ける言い方のことでしたね。
高コンテキスト文化に関する記事はこちら

ぼかし表現に関する記事はこちら


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