条件「たら」を完全整理!|3つの基本イメージと条件別の違いを整理

条件「たら」を完全整理|時系列でわかる4つの使い方 レシピ②文型
  1. 概要:条件「たら」の基本イメージ
    1. 1分で読めるまとめ版
    2. 1分で読める整理表
    3. 1発理解のイラスト集
      1. 条件「たら」基本イメージ
      2. 条件じゃない「たら」①
      3. 条件じゃない「たら」②
      4. 条件じゃない「たら」③
  2. 条件「たら」とは?3つの基本の意味
    1. ①「たら」は時系列を表す
      1. 時系列がずれるとどうなる?
    2. ②「たら」は後件で意志表現が使える
    3. ③「たら」は会話的な表現
  3. 「たら」の接続(つくり方)
    1. 「たら」接続の基本ルール
    2. 動詞+たら
    3. い形容詞+たら
    4. な形容詞+たら
    5. 名詞+たら
  4. 仮定条件の「たら」とは?
    1. 仮定条件「たら」の例文
    2. 仮定条件「たら」まとめ
  5. 確定条件の「たら」とは?
    1. 確定条件「たら」の例文
    2. 確定条件「たら」まとめ
  6. 一般条件の「たら」とは?
    1. 一般条件「たら」の例文
    2. なぜ「と」の方が自然なの?
      1. 一般条件の特徴
      2. 「と」の特徴
    3. でも、なぜ「たら」も使えるの?
    4. 一般条件「と」と「たら」の違いはココ!
    5. 一般条件「たら」まとめ
  7. 反事実条件の「たら」とは?
    1. 反事実条件「たら」の例文
      1. 反事実条件の不自然な例
      2. 【反事実条件×仮定条件】比較表
    2. 反事実条件「たら」まとめ
  8. 番外編:条件以外の「たら」
    1. ① 発見の用法:ドアを開けたら、猫がいた
    2. 「発見」の意味は、「と」にも見られる
      1. 【発見の用法:「たら」と「と」の違い】
    3. ② 前置きの用法:加藤さんだったら、もう帰りましたよ
      1. 【前置きの用法:「たら」と「なら」の違い】
    4. ③ 軽い仮定の用法:よかったら、一緒に行きませんか
      1. 高コンテキスト文化に関する記事はこちら
      2. ぼかし表現に関する記事はこちら

概要:条件「たら」の基本イメージ

まず、条件文
「Aという条件のもとで、Bが起こる」という形でしたね。

 

そして、条件「たら」基本イメージは、

❶ 時系列を表す
後件で意志表現が使える

会話的である

の3つです。

【まずは「条件の種類」をおさえよう】

条件文4種類の違いを図解でやさしく整理|仮定・確定・一般・反事実条件とは?
「たら・ば・と・なら」の前に知っておきたい条件文の4種類。仮定条件・確定条件・一般条件・反事実条件の意味の違いを図解でやさしく整理します。

1分で読めるまとめ版

✔ 条件「たら」とは
「あることが起きたあとで、どうなるか・どうするか」を表す表現。

✔ 基本の特徴
① 時系列を表す
→ Aが起きたあとでBが起こる

② 後件で意志表現が使える
→ 「〜しよう」「〜してください」などが言える

③ 会話的でやわらかい表現
→ 日常会話でよく使われる

✔ 条件の種類別「たら」
【仮定条件】
(もし)雨が降ったら、出かけません。
→ 起こるかどうかわからない未来

【確定条件】
家に帰ったら、電話します。
→ 起こることが前提の未来

【一般条件】
この薬を飲んだら、眠くなります。
→ いつもそうなる自然な結果

【反事実条件】
昨日早く寝ていたら、元気だったのに。
→ 実際とは違う過去の想像

✔ 条件以外の「たら」
・発見:ドアを開けたら、猫がいた
・前提:加藤さんだったら、もう帰りましたよ
・軽い仮定:よかったら、一緒に行きませんか

1分で読める整理表

用法意味例文ポイント
基本イメージAのあとでBが起こる家に帰ったら、電話します。時系列を表す
仮定条件起こるか不明な未来暇だったら、手伝ってください。後件に意志表現OK
確定条件起こることが前提の未来授業が終わったら、先生に聞きます。「~したあとで」に近い
一般条件いつもそうなる結果この薬を飲んだら、眠くなります。「と」の方が自然なことも多い
反事実条件実際とは違う過去昨日早く寝ていたら、今日は元気だったのに。後件に意志表現NG
発見の用法その場で気付いた事実ドアを開けたら、猫がいた。「と」も使える
前置きの用法話題提示加藤さんだったら、もう帰りました。「なら」に近い
軽い仮定配慮ある誘い・依頼よかったら、どうぞ。やわらかい表現

1発理解のイラスト集

条件「たら」基本イメージ

条件じゃない「たら」①

条件じゃない「たら」②

条件じゃない「たら」③

条件「たら」とは?3つの基本の意味

条件「たら」は、

「あることが起きたあと、どうなるか・どうするか」を表す表現です。

日常会話でよく使われる、もっとも基本的な条件表現の一つです。

条件文の種類については、こちらの記事で整理しています。
【条件文4種類のまとめ記事はこちら】

条件文4種類の違いを図解でやさしく整理|仮定・確定・一般・反事実条件とは?
「たら・ば・と・なら」の前に知っておきたい条件文の4種類。仮定条件・確定条件・一般条件・反事実条件の意味の違いを図解でやさしく整理します。

今回は、この条件「たら」の使い方をじっくり見ていきましょう。

はーい!

「たら」って、私もよく使うし、とても身近な表現に感じます。

①「たら」は時系列を表す

「〜してから、そのあと…」という流れ。つまり

ある出来事が起きたあとで、次のことが起こる・起こすことを表す条件表現です。

時間の流れを表すんですね。

Aたら、B
= Aが起きたあとで、Bが起こる/起こす
例)
・家に帰ったら、電話します。
・雨が降ったら、試合は中止です。
→ 「AのあとにB」が起こる。

時系列がずれるとどうなる?

時系列を意識すると、「たら」の使い方がよく分かります。

例えば、次の文を見てみましょう。

✖ もし 明日雪が降ったら、今日長靴を買っておきます。

この文に少し違和感を覚えるのは、
「たら」が表す時系列と、文の内容の時間関係がずれているからです。

もし 明日雪が降ったら今日長靴を買っておきます。

そうか。
時系列で考えると、

「今日長靴を買っておく」→ 「明日雪が降る」

の順番になっていないから、少し違和感が出るんだね。

 もし 明日雪が降ったら長靴をはいて家を出ます。

①「雪が降る」→ ②「長靴をはいて家を出る」

このように、①のあとに②が起こるという
時系列に沿った関係なら、自然に「たら」が使えます。

②「たら」は後件で意志表現が使える

条件「たら」は「〜たら、〜しよう/〜してください」

のように、後件で意志表現が使えます。

つまり、「その場の判断が可能」であるということです。

条件文で、後件に意志表現を置けると聞いたことがあるけど、「たら」のことだったんだね!

そうです。

ただし、後件で意志表現が使えるのは、仮定条件・確定条件のみで、一般条件・反事実条件では基本的に使えません。

(後ほどの条件種類別で詳しく解説します)

【その前に「条件の種類」を確認しておきましょう】

条件文4種類の違いを図解でやさしく整理|仮定・確定・一般・反事実条件とは?
「たら・ば・と・なら」の前に知っておきたい条件文の4種類。仮定条件・確定条件・一般条件・反事実条件の意味の違いを図解でやさしく整理します。

③「たら」は会話的な表現

「たら」の使用感は、やわらかく日常会話でよく使われることです。。

【話し言葉的「たら」】
例:
• 駅に着いたら、電話して。
• 時間があったら、コーヒーでも飲もう。

とても自然で、日常会話そのものですね。

だから「たら」は、身近に感じられるんですね!

でも、書き言葉でも使えないわけではないのです。

【書き言葉的「たら」】
例:
• 春になったら、桜が咲き始める。
• 日本に来たら、まず寿司を試してみるとよいでしょう。

確かに、教科書やガイドブックなどに載っていそうだね。

ただし、論文報告書マニュアルなどのように、
論理性や客観性が重視される文章では、
「たら」ではやや口語的に感じられることがあります。

その場合は、どういった表現が良いのでしょうか。

やや硬く、客観的・説明的な文体で表現する時は、

「~ば」「~と」が好まれます。

「たら」の接続(つくり方)

「たら」接続の基本ルール

「たら」は、過去形+らで作ります。

「たら」つくり方の基本普通形の過去形+ら

 

動詞+たら

動詞:た形+ら
例:
・行く → 行ったら
・食べる → 食べたら
【補足】動詞の過去形
→ た形(別記事「た形」のつくり方

動詞普通形の過去は、た形で表せましたね。

た形のつくり方は以下をご参照ください。

【た形のつくり方はこちら↓↓】

た形の作り方|I・II・IIIグループ別活用を図解でスッキリ整理|活用早見表付き【日本語教師向け】
た形の作り方を3ステップで簡単解説!Ⅰ・Ⅱ・Ⅲグループ別に、て形からの変化を図と表でやさしく整理。迷いやすい動詞も一発理解!

い形容詞+たら

い形容詞:~かった+ら
例:
・高い → 高かったら
・寒い → 寒かったら
【補足】い形の過去形
→ ~+かった
例) 高い → 高かった

い形容詞の過去形は、

+かった

で表せます。

な形容詞+たら

な形容詞:~だった+ら
例:
・暇だ → 暇だったら
・静かだ → 静かだったら
【補足】な形容詞の過去形
→ ~だった
例) 暇だ→暇だった

な形容詞の過去形は、

~だった

で表せます。

名詞+たら

名詞:~だった+ら
例:
・先生だったら
・雨だったら
【補足】名詞の過去形
→ 名詞+だった

名詞の過去形は、

名詞+だった

で表せましたね。

仮定条件の「たら」とは?

まず、仮定条件とは何か、復習しましょう。

【仮定条件の記事はこちら↓↓】

条件文4種類の違いを図解でやさしく整理|仮定・確定・一般・反事実条件とは?
「たら・ば・と・なら」の前に知っておきたい条件文の4種類。仮定条件・確定条件・一般条件・反事実条件の意味の違いを図解でやさしく整理します。

仮定条件「たら」の例文

①(もし)雨が降ったら、出かけません。
②(もし)暇だったら、手伝ってください。
③(もし)1日50時間あったら、何をしますか。

簡単に言うと、

仮定条件とは「『もし〜たら』などを使って、起こるかどうかわからない未来のことを想定する文型」でしたね。

日常会話でよく使われますよね。

①の文が定番型ではないでしょうか。

「たら」は、Aが起きたあとでBが起こるという時系列を表すんだよね。
だから「これからどうするか」「何が起こるか」という後件の内容に自然と注目が集まるね。

 

②の文のように、後件で意志表現を使うことができるのも、その特徴の一つってことか。

そうですね、仮定条件「たら」では、後件に意志表現が使えることが大きな特徴の一つでもあります。

私、ずっと仮定条件では
「起こるかどうかわからないこと」が前件に来ると思っていたのですが、
③の文が成り立つところを見ると、
「絶対に起こらないこと」も前件に使えるんですね。

そうですね。
仮定条件における前件の内容は、

「実際に起こる可能性があること」から
「現実には起こらないこと」まで
幅広く設定することができます。

仮定条件「たら」まとめ

【仮定条件「たら」の特徴】
① 時系列で表し、後件に注目が集まる。
② 後件で意志表現を使うことができる。
③ 前件の内容は「起こる可能性があること」から
「現実には起こらないこと」まで幅広く設定できる。
(※これは仮定条件そのものの特徴)

確定条件の「たら」とは?

確定条件「たら」の例文

① 家に帰ったら、電話します。
② 授業が終わったら、先生に聞きます。
③ 仕事が終わったら、飲みに行きませんか。

確定条件は、前件で「起こることが前提になっている未来のこと」を言う文でしたね。

だから、仮定条件のように
「もし〜たら」
という言い方は、あまりしないんですよね。

必ず起きるだろう流れの中で、
時系列に沿って順番に述べる感じだね。

それで言うと、「〜したあとで」に言い換えられることが多いのかな。

そうですね。

「〜したあとで」に言い換えられるのは、
確定条件だからというより、
「たら」が時系列を表す表現だからです。

あ、③を見ると後件が意志表現になっていますね。

確定条件でも後件に意志表現を持ってくることができるんですね。

はい。それに、どれも日常会話で自然と使われる表現です。

確定条件でも「たら」の特徴は大いに感じられますね。

確定条件「たら」まとめ

【確定条件「たら」の特徴】
① 必ず起きるだろう流れの中で時系列で表し、後件に注目が集まる。
② 「~したあとで」に言い換えられることが多い。
③ 後件で意志表現を使うことができる。

一般条件の「たら」とは?

一般条件についての再確認は以下をご覧ください。

【一般条件についてはこちら↓↓】

条件文4種類の違いを図解でやさしく整理|仮定・確定・一般・反事実条件とは?
「たら・ば・と・なら」の前に知っておきたい条件文の4種類。仮定条件・確定条件・一般条件・反事実条件の意味の違いを図解でやさしく整理します。

一般条件「たら」の例文

① この薬を飲んだら、眠くなります。
② 夜になったら、家の中が静かになります。

一般条件は、「いつも起きる自然な結果

を表す文でしたよね。

そうです。つまり、

「Aになると、いつもBになる」
という一般的な関係を表す文です。

あのー、一般条件ってそもそも「と」の文じゃないんですか?

たしかに、「と」がいちばん典型的な形です。
でも、例文のように「たら」も使うことができます。

「と」を使った方が自然に聞こえることが多いよね。
どうして「たら」も言えるのでしょうか。

では今回は、「たら」と「と」を比べながら見ていきましょう。

なぜ「と」の方が自然なの?

一般条件の特徴

まず、一般条件の文は、

「Aになる → いつもBになる」
を表しましたね。

先ほどの例文を見ても、

薬の効果」だったり、「時間の流れ」だったりと、

自然に起きる結果を言っていますもんね。

そうです。だから、ここには

・話し手の判断

・話し手の意志

・その場の決定

などは入りません

【一般条件の特徴】
・自然に起きること
・誰の意志でもコントロールできないこと
話し手の判断
✖ 話し手の意志
✖ その場の決定

「と」の特徴

そして「と」の最大の特徴は、

「機械のスイッチのように、Aが起きたら自動的にBが起きる」

という関係を表すのが得意であることです。

【「と」の特徴】
Aが起きたら自動的にBが起きる

なるほど。

だから、一般条件「と」相性良いんですね。

はい。

「と」についての詳細は、

こちらの記事で深堀していますので、是非ご参考にしてください。

でも、なぜ「たら」も使えるの?

ん~、「と」についてはすっきりしたけど、今回は「たら」の話。

一般条件で「たら」を使えるのはどうしてだろう。

では、時間における「たら」の特徴は何でしたか?

あ、時系列!

そうですね。「たら」には、

ある出来事が起きたあと、その結果が起きる

という、時間の流れを表す意味がありましたね。

【「たら」の特徴】
時系列を表す

つまり、

① この薬を飲んだら、眠くなります。
薬を飲む → そのあと眠くなる
② 夜になったら、家の中が静かになります。
夜になる → そのあと静かになる

このように、一回一回の出来事の流れとしてとらえると、
「たら」でも言うことができますね。

一般条件「と」と「たら」の違いはココ!

結局のところ、「と」と「たら」の違いって何でしょう。

それは……、

【一般条件「と」と「たら」の違い】
「と」:Aになると、自動的にBになる(機械的・法則的な関係)
「たら」:Aが起きたあとで、Bが起きる(時間の流れとして捉える)

 

という視点の違いです。

そのため、一般条件では
「自動的な結果」を表す「と」の方が
より自然に聞こえることが多いのです。

一般条件「たら」まとめ

【一般条件「たら」の特徴】
① 「Aになると、いつもBになる」という自然な結果を表す。
(※これは一般条件そのものの特徴)
② 「Aが起きたあとで、Bが起きる」という時系列の流れとして捉えることができる。
③ 一般条件では「と」の方が、より自然に聞こえることが多い。

反事実条件の「たら」とは?

反事実条件の解説は以下の記事をご覧ください。

【反事実条件についてはこちら↓↓】

条件文4種類の違いを図解でやさしく整理|仮定・確定・一般・反事実条件とは?
「たら・ば・と・なら」の前に知っておきたい条件文の4種類。仮定条件・確定条件・一般条件・反事実条件の意味の違いを図解でやさしく整理します。

反事実条件「たら」の例文

【後悔】
①(もし)昨日早く寝ていたら、今日は元気だったのに。
(=実際は早く寝なかった → 今は元気じゃない)
【安堵】
②(もし)身分証を忘れていたら、この書類は発行できませんでした。
(=実際は持っていた → 発行できた)

反事実条件とは、「実際とは違う過去を想像して話す」条件文でしたね。

「後悔」や「安堵」の気持ちを表すことができます。

「たら」は時系列を表すから、後件に注目が行きやすいね。

「もし」もつくし、形は仮定条件に少し似ていますね。

じゃあ、後件に意志表現も使えるかな?

いいえ。反事実条件の場合、後件で意志表現はつかえません。

反事実条件は、すでに終わった過去の話

だから、もうコントロールできない行為なのです。

【反事実条件】
すでに終わった過去
実際とは違う想像
【意志表現】
これからどうするか
まだコントロールできる行為
例:
・勉強しよう
・行きましょう
・電話してください
つまり、
× もうコントロールできない
× これからどうするか決められない
だから、反事実条件では使えない。

反事実条件の不自然な例

もっと勉強したら、合格しましょう
早く出たら、電車に乗りましょう
→ 過去の話なのに、未来の意志を言っている
→ 時間の軸がずれてしまう

本当だ。後件に意志表現がくると、

反事実条件の文としては、おかしいね。

「後悔」や「安堵」のような感情も見られませんね。

「早く出たら、電車に乗りましょう。」は、反事実条件(過去の話)だと非文だけど、仮定条件(未来の話)だと成り立ちますもんね。

【反事実条件×仮定条件】比較表

時間種類意志表現
未来仮定条件〇 置ける
過去(実現しなかった)反事実条件✕ 置けない

反事実条件「たら」まとめ

【反事実条件「たら」の特徴】
① 実際には起きなかった過去を、時系列の流れで想像しながら結果を述べる。
② 後件には、後悔・残念・安堵などの感情が込められることが多い。
③ 後件で意志・命令・依頼などの意志表現は使えない。

 

番外編:条件以外の「たら」

① 発見の用法:ドアを開けたら、猫がいた

あのう、

「ドアを開けたら、猫がいた」はどの条件に当てはまりますか?

この文は、条件文ではありません。

これは「~たあとで、~た」

という、実際に起きた過去の出来事を表す用法です。

 

特に、実際に起きた過去の出来事の中で、

前件をきっかけに、その場で新しい事実に気づく

という意味を表すとき、

これを発見の用法と呼びます。

【発見の用法】
例)ドアを開けたら、猫がいた。
特徴:
• 実際に起きた出来事
• その場で気づいた事実
• 主観的体験

これは、「たら」だけに見られる用法なのですか?

他の表現には見られないのでしょうか。

「発見」の意味は、「と」にも見られる

いいところに気がつきました。

実は、発見の用法は「と」にも見られます。

例)ドアを開ける、猫がいた。

 

では、違いは何でしょうか。

大きな違いは、

・「たら」=話し手の体験として語る
・「と」=出来事の流れを客観的に描写する

という視点の違いです。

【発見の用法:「たら」と「と」の違い】

・「たら」:その場で気づいた、個人的な体験・驚き
・「と」:出来事を客観的に描写する言い方

② 前置きの用法:加藤さんだったら、もう帰りましたよ

「加藤さんだったら、もう帰りましたよ」

この「たら」は、明らかに条件文や発見の用法とは違いますよね。

この「たら」は、

「〜について言うなら」
「〜のことなら」

というように、
話題を取り上げる前置きとして使われています。

【前置き・話題提示の用法】
例)
・加藤さんだったら、もう帰りましたよ。
・そういえば、加藤さんだったら、さっき来ましたよ。
意味:
「加藤さんについて言うなら」
特徴:
・会話でよく使われる
・話題を提示する前置き表現
・「なら」に近い意味になる

なるほど。
じゃあ、「たら」は「なら」と同じですか?

この用法では、「なら」とかなり近い意味になります。

たとえば、

・加藤さんだったら、もう帰りましたよ。
・加藤さんなら、もう帰りましたよ。

どちらも自然な文ですね。

【前置きの用法:「たら」と「なら」の違い】

・「たら」:自然で会話的。思い出したように話題を出す感じ
・「なら」:その話題について、情報として答えている感じ

③ 軽い仮定の用法:よかったら、一緒に行きませんか

「よかったら、一緒に行きませんか」や「よかったら、食べませんか」って日常会話でよく使いますよね。

これらも、前置きの用法だね。

あ、でも「もしよかったら、」って言えるから、仮定条件じゃない?

ん~、でも条件文の「たら」とは少し違う感じがしませんか?

たしかに、
「もし良いという条件が成立したら…」
という厳密な条件というより、

「無理じゃなければ」
「都合がよければ」

という、軽い気持ちで言っている感じがしますね。

そうなんです。

この「たら」は、
相手への配慮を表すための
やわらかい前置きとして使われています。

【軽い仮定の用法】
例)
・よかったら、一緒に行きませんか。
・よかったら、どうぞ。
・よかったら、また明日来てください。
意味:
「無理じゃなければ」
「都合がよければ」
特徴:
・相手への配慮を表す言い方
・断ってもいい、という気持ちを含む
・依頼や誘いをやわらかくする

何だか、「あなたの判断に任せます」みたいなメッセージを含んでいる感じがするね。

前にどこかの記事で出てきた「ぼかし表現」や「高コンテキスト文化」を思い出すな。

そうですね。

「よかったら〜」は、日本語らしい配慮表現の一つです。
相手に選択の余地を残し、直接的な命令や依頼を避ける言い方です。
これは、言葉にしない部分を察する文化(高コンテキスト文化)とも関係があります。

ちなみに、ぼかし表現とは断定を避ける言い方のことでしたね。

高コンテキスト文化に関する記事はこちら

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ぼかし表現に関する記事はこちら

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