「行く」と「来る」の違い|コアからわかる使い分け―なぜ「来る?」に「行くよ」と答える?【日本語教師向け/帰る・戻るとの違いも】

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「行く」と「来る」の違い|コアからわかる使い分け―なぜ「来る?」に「行くよ」と答える?【日本語教師向け/帰る・戻るとの違いも】 レシピ②文型
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この記事はこんな先生におすすめ

「来る?」と聞いたのに、なぜ答えは「行くよ」?

FOR TEACHERS

□「行く=go/来る=come」で教えている。
□「来る?」に、なぜ「行くよ」と答えるのか説明しにくい。
□「行く/来る」の使い分けを、感覚で説明している。
□「帰る」「戻る」との違いも整理しておきたい。

1分で読めるまとめ版

■「行く・来る」は、話し手の視点を基準に考える
ここでは、話し手側を「ウチ」、その外側を「ソト」と考える。

■「行く」=ウチからソトへ
話し手側の「ウチ」から、ソトへ向かう移動。
例:明日、北海道に行く。
→ 北海道は話し手側の「ウチ」ではない
→ ウチからソトへ向かうので「行く」

■「来る」=ソトからウチへ
ソトから、話し手側の「ウチ」へ向かう移動。
例:友達がうちに来る。
→ 友達が話し手側の「ウチ」へ向かってくる
→ ソトからウチへ向かうので「来る」

■なぜ「来る?」に「行くよ」と答える?
A:明日、うちに来る?
B:うん、行くよ。
→ 話し手が変わると、「ウチ」も変わる。

■ 英語の go / come とは違う
聞き手側への移動では、英語と日本語で選び方が異なる。
・英語:Are you coming? → I’m coming.
・日本語:来る? → 行くよ。

■ ポイント
行く:ウチ → ソト
来る:ウチ ← ソト

ここがコア|「行く・来る」使い分け

🗝 鍵カード

鍵: 「行く・来る」使い分けの鍵

🖌 イラストでイメージを掴む

ウチソト行く

来る

「北海道に来るよ」はなぜ不自然?

北海道に来るよ
話し手:明日、北海道に来るよ
聞き手:いいな。うらやましい!

この会話、少し変に感じませんか?

そうですね。
「北海道に行くよ!」の方が自然ですね。

北海道にいくよ

違和感の正体は?

でも、どうしてだろう…。

「行く」も「来る」も、どちらも移動を表しますよね?

そうなんです。

この違いを考えるときの鍵が、話し手の視点です。

でも、「視点」と言われると少し難しいですよね。

そこで、この記事では話し手側を「ウチ」と考えてみます。

考えるのは「ウチ」だけ

「行く・来る」は「話し手側」を基準に考える

ここでは、話し手側を「ウチ」、その外側を「ソト」と考えます。

この記事での「ウチ・ソト」

「ウチ・ソト」は本来、人間関係などを捉えるときにも使われる考え方ですが、
この記事では、
「行く・来る」の視点を見える形にするためのイメージとして使います。

「行く・来る」の違いは、
移動が「ウチ」から出ていくのか、「ウチ」に入ってくるのか
を見ると、わかりやすくなります。

「行く」=ウチからソトへ

「行く」= ウチ → ソト

ウチソト行く
話し手側の「ウチ」から、ソトへ向かう移動を表す。

「来る」=ソトからウチへ

「来る」= ウチ ← ソト

来る
「ソト」から、話し手側の「ウチ」へ向かう移動を表す。

なるほど。
「ウチから出るか、ウチに入るか」を見ればいいんですね。

そうですね。

だから、考えるのは「ウチ」だけです。

「ウチ」は話し手と一緒に動く

ここが、「行く・来る」を考える上で大切なポイントです。

「ウチ」は、いつも同じ場所に固定されているわけではありません。
そのときの話し手側が「ウチ」です。

話し手が変われば、「ウチ」も変わる。
この考え方がわかると、
「来る?」と聞かれたのに、なぜ「行くよ」と答えるのか
も見えてきます。

※ここでいう「ウチ」は、「行く・来る」の視点を捉えやすくするための考え方です。

▶敬語などに関わる「ウチ・ソト」の考え方について詳しくはこちら

だから「北海道に行く」になる

では、最初の例に戻りましょう。

明日、北海道に来るよ。
○ 明日、北海道に行くよ。

このとき、北海道は話し手側の「ウチ」ではなく、ソトにあります。

だから、「北海道に行く」が自然なんですね。

ウチ → 北海道(ソト) 

だから、
「北海道に行く」が自然なんですね。

なぜ「来る?」に「行くよ」と答える?

では、この会話を見てみましょう。

明日、うちに来る?うん、行くよ
A:明日、うちに来る?
B:うん、行くよ。

あれ?
Aは「来る?」と聞いているのに、
Bは「行くよ」と答えていますね。

同じ場所への移動なのに、どうして違うんでしょうか。

ここでも、考えるのは「ウチ」だけです。

A「明日、うちに来る?」

このときの話し手はAです。

つまり、A側が「ウチ」

Bはソトから、A側のウチへ向かいます。

ウチソト来る2

だから、

A:明日、うちに「来る」?

B「うん、行くよ」

今度は、Bが話し手になります。

話し手が変わったので、「ウチ」もB側に切り替わります。

Aの家は、Bから見ればソト。

だから、

B:うん、「行く」よ。

話し手が変われば、「ウチ」も変わる。

なるほど!

同じ場所への移動なのに、話す人が変わると「ウチ」も変わるんですね。

「来る」と「帰る」はどう違う?

でも、「ウチ」に向かうなら、

「来る」と「帰る」はどう違うんですか?

いいところですね。

「来る」と「帰る」は、どちらもウチ方向への移動になることがあります。

でも、見ているポイントが違います。

「来る」=話し手側へ向かう
「帰る」=本来いる場所へ戻る

「来る」=話し手側の「ウチ」へ

来る

友達が私の家に来る。
友達が来る
「来る」は、ソトから話し手側の「ウチ」へ向かう移動を表します。
このとき基準になっているのは、話し手の視点です。

「帰る」=本来いる場所へ戻る

帰る

仕事に行く。
仕事から家に帰る。
ウチソト帰る
「帰る」は、その人が本来いる場所へ戻る移動を表します。
家(ウチ)→ 会社(ソト)行く
家(ウチ)← 会社(ソト)帰る

なるほど。

同じ「ウチ方向」でも、

「来る」は話し手側へ、
「帰る」は本来いる場所へ

という違いなんですね。

補足|「戻る」との違いは?

「帰る」も、広く考えれば「戻る」移動の一つです。
ただし、「戻る」はもっと広く使えます。
帰る=本来いる場所へ戻る
戻る=元の場所・状態へ戻る

帰る

家に帰る。

ウチソト帰る
→ 自分の本来の居場所へ戻る。

戻る

忘れ物を取りにコンビニに戻る。
戻る
→ さっきいた場所へ戻る。
「戻る」は、ウチ・ソトに関係なく、元の場所や状態へ移ることを表せる。

そのため、

・家に帰る。
→ 本来いる場所へ

・コンビニに戻る。
→ さっきいた場所へ

という違いがあります。

また、「戻る」は、
・元のページに戻る。
・話を本題に戻す。
のように、場所の移動以外にも使うことができる

英語の go / come との違い

そういえば、英語ではどうなるんですか?

英語では、同じ場面でも使い方が少し違います。

A:Are you coming to my house?
B:Yes, I’m coming.

日本語では、こうでしたね。

A:うちに来る?
B:うん、行くよ。

英語では、聞き手がいる場所への移動にも come を使うことができます。
そのため、
Are you coming?
→ I’m coming.
一方、日本語では、
来る?
→ うん、行くよ。
Bが話すときは、B側が「ウチ」になるためです。

日本語の「行く・来る」と英語の go / come は、視点の置き方が同じではない。 

なるほど。

だから、「来る=come」「行く=go」だけでは説明できないんですね。

1分で読める整理表

「行く・来る」の使い分け

視点「行く」「来る」
基準話し手(ウチ)話し手(ウチ)
移動ウチ→ソトウチ←ソト
イメージウチから離れるウチへ近づく
北海道に行く友達がうちに来る

「来る・帰る・戻る」の違い

来る帰る戻る
見るポイント話し手側へ向かう本来いる居場所へ戻る元の場所・状態へ戻る
ウチ・ソトウチ←ソトウチ←ソト関係しない
友達がうちに来る家に帰るコンビニに戻る

「来る?/行くよ」の日本語と英語の違い

日本語(行く/来る)英語(go/come)
視点話し手側を基準に捉える聞き手側への移動にもcomeを使える
A: 来る?
B: 行くよ!
A: Are you coming?
B: Yes, I'm coming.
ポイント話し手が変わると「行く/来る」も変わる同じ場面でもcomeを使える

一発理解|「行く・来る」使い分け 図解まとめ

🗝 鍵カード

鍵: 「行く・来る」使い分けの鍵

🖌 イラスト図解集

ウチソト行く

来る

北海道に来るよ

北海道にいくよ

明日、うちに来る?うん、行くよ

ウチソト来る2

友達が来る

ウチソト帰る

戻る

参考書籍|もっと詳しく学びたい方へ

当サイトで参考にしている文献は、こちらにまとめています。

参考文献一覧はこちら

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