受身文の作り方と助詞の変化|コアからわかる直接受身・間接受身【日本語教師向け・図解】

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受身文の作り方と助詞の変化|コアからわかる直接受身・間接受身【日本語教師向け・図解】 レシピ②文型
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この記事はこんな先生におすすめ

受身文、助詞の変化だけで教えていませんか?

FOR TEACHERS

□「が→に」「を→が」は説明できるが、その理由を説明しにくい。
□ 助詞の変化をパターンで教えていて、整理しにくい。
□ 間接受身になると説明に迷う。
□「なぜこの人が主語になるの?」と聞かれて困る。

1分で読めるまとめ版

■ 受身文とは
動作・出来事を、影響を受ける側から見る文。
・母親がエマを褒めた。
→ エマが母親に褒められた。

■ 基本の受身では、主語が入れ替わる
母親がエマを褒めた。
→ エマが母親に褒められた。
※視点(主語)が変わることで、助詞も変わる。
・「が(動作主)」→「に」
・「を(対象)」→「が」

■ 持ち物の受身では、持ち主を主語にできる
泥棒が私のかばんをとった。
→ 私は泥棒にかばんをとられた。

■ 間接受身では、新しい主語が加わる
雨が降った。
→ 私は雨に降られた。
「雨が降った」という出来事に、影響を受けた人(私)が新しく主語として加わる。

■ 間接受身の特徴
・自動詞・他動詞どちらでも使える。
・直接の対象ではない人も主語になれる。
・迷惑・被害など、出来事から受けた影響を表すことが多い。

■ ポイント:
受身文を見る鍵は、助詞の変化だけではない。
主語が「入れ替わる」のか、「新しく加わる」のかを見る。

ここがコア|受身文

🗝 鍵カード

鍵:受身文の鍵

🖌 イラストでイメージを掴む

母親がエマを褒めました。

エマが母親に褒められました。

基本構造と活用

受身文の基本構造

まず、受身文では主語がどのように変わるのかを見てみましょう。

文の種類主語助詞の変化動詞の形
能動文動作主:母親が エマを褒めました
受身文動作の対象:エマが母親に褒められました

受身形の活用

受身形の動詞の活用についてはこちらの記事をご参照ください

受身形の作り方|活用一覧表とイラスト図解で活用の流れを整理【日本語教育】
日本語の受身形の作り方を活用一覧表とイラスト図解で整理。動詞グループ別の活用ルールから学習者が混乱しやすいポイントまで、授業で説明しやすい形で解説します。

基本の受身|主語が「入れ替わる」

基本の受身では、もとの文(能動文)から主語が変わります。

【能動文】
母親が エマを 褒めました。
【受身文】
エマが 母親に 褒められました。
受身の場面

能動文と受身文は、別の出来事を表しているわけではありません。
同じ出来事を、誰の立場から見るかが変わっています。

能動文
→ 動作する人が主語
受身文
→ 動作を受ける人が主語

つまり、基本の受身では、
「誰の立場から出来事を見るか」が変わり、主語が入れ替わります。

助詞の変化を整理しよう(が・を・に)

主語が入れ替わると、それにともなって助詞も変わります。

基本ルール

能動文
・動作主 →「
・動作の対象 →「
受身文
・動作の対象 →「
・動作主 →「

まとめると、

母親が 母親に
エマを → エマが

文の種類主語助詞の変化動詞の形
能動文動作主:母親が エマを褒めました
受身文動作の対象:エマが母親に褒められました

ここで大切なのは、

助詞だけが変わっているわけではないということです。

主語が入れ替わった結果、それぞれの助詞も変わります。

母親がエマを褒めました。

エマが母親に褒められました。

他動詞の受身文|基本パターンを押さえよう

他動詞の受身文には、文の形によっていくつかのパターンがあります。
同じ人・ものが、能動文から受身文でどう変わるかに注目して見てみましょう。

① 基本の受身

母親が エマを 褒めました。
エマが 母親に 褒められました。
動作主:母親が → 母親に
動作の対象エマを → エマが
→ 動作の対象「エマ」が主語になります。

② 「〜に 〜を」がある場合

警察が エマに 名前を聞きました。
エマが 警察に 名前をかれました。
動作主警察が → 警察に
相手エマに → エマが
名前を → 名前を
→「名前を」は変わらず、相手の「エマ」が主語になります。

③ 「〜を 〜に」がある場合

エマが 友だちを パーティーに招待しました。
友だちが エマに パーティーに招待されました。
動作主エマが → エマに
動作の対象友だちを → 友だちが
パーティーに → パーティーに
→ 場所を表す「パーティーに」は変わりません。

④ 持ち物の受身

持ち物などに対する動作では、二通りの受身文を作ることができます。

【能動文】
泥棒が
私の かばんをとりました。
【直接受身】
かばん 泥棒にられました。
【持ち主の受身】
私は 泥棒に かばんを られました。
1つ目は、動作の対象であるかばん」を主語にした受身文。
2つ目は、かばんの持ち主である」を主語にした受身文。
持ち主の受身では、
能動文の「私の」が、受身文では「私は」となり、持ち主が主語になります。
持ち物の受身

「かばん」を主語にするだけでなく、持ち主の「私」を主語にすることもできます。

タイプ能動文受身文❶受身文❷
① 基本の受身母親がエマを褒めたエマが母親に褒められた
②「~に~を」がある警察がエマに名前を聞いたエマが警察に名前を聞かれた
③「~を~に」があるエマが友だちをパーティーに招待した友だちがエマにパーティーに招待された
④持ち物の受身泥棒が私のかばんをとったかばんが泥棒にとられた私は泥棒にかばんをとられた

自動詞でも受身文は作れる?|間接受身とは

そういえば、自動詞(対象を持たない動詞)でも受身文は作れますか?

作れます。

ただし、基本の受身とは主語の作られ方が違います。

それが、「間接受身」と呼ばれる受身です。

間接受身とは?|新しい主語が「加わる」

基本の受身では、動作の対象が主語になりました。
一方、間接受身では、もとの文には主語として存在しなかった
「出来事から影響を受ける人」が、新しく主語として加わります。

自動詞の間接受身

【もとの文】
雨が 降りました。
【間接受身】
トモミは 雨にられました。
トモミは雨に降られました。
動作・出来事の主体:雨が 雨に
影響を受ける人:トモミ」が主語として加わる
「雨が降った」という出来事を、
その影響を受けた「トモミ」の立場から表した文です。

間接受身では、
このように迷惑・困惑などの影響を受けたニュアンスが表れることがある。

他動詞の間接受身

【もとの文】
買い物客が 卵を買いました。
【間接受身】
私は 買い物客に 卵を買われました。
私は買い物客に卵を買われました。
動作主:買い物客が → 買い物客に
影響を受ける人:」が主語として加わる
卵を → 卵を
「買い物客が卵を買った」という出来事によって、
「私」が何らかの影響を受けたことを表しています。

「卵を買われたことで困った」などのニュアンス

間接受身の特徴まとめ

間接受身

・もとの文にはなかった人が、新しく主語として加わる
・自動詞・他動詞のどちらでも作ることができる
・新しく加わる主語は、その出来事から影響を受ける人
・迷惑・困惑などのニュアンスを伴うことが多い

つまり、間接受身では、

「誰がその出来事から影響を受けたのか」

に注目します。

受身文の主語を整理しよう

もとの文受身文主語になるもの
基本の受身母親がエマを褒めたエマが母親に褒められたもとの文の動作の対象
持ち主の受身泥棒が私のかばんをとった私は泥棒にかばんをとられたもとの文の持ち主
間接受身(自動詞)雨が降ったトモミは雨に降られた新しく加わった人
間接受身(他動詞)買い物客が卵を買った私は買い物客に卵を買われた新しく加わった人

受身文のポイントまとめ|主語を見ると仕組みがわかる

基本の受身

→ もとの文にある動作の対象が主語になる
→ 主語が入れ替わる

持ち主の受身

→ 「私のかばん」のような持ち主が主語になる
→ 持ち主の立場から出来事を見る

間接受身

→ もとの文にはなかった「影響を受ける人」が主語になる
→ 新しい主語が加わる

使役文とのつながり

受身文では、誰を主語にして出来事を見るかがポイントでした。

使役文でも、もとの文に新しい主語が加わりますが、受身文とはその仕組みが異なります。

→ 受身文:主語の入れ替わり・追加
→ 使役文:主語の追加+動作主の意志

詳しくは、使役文の記事で整理します。

1分で読める整理表

受身文の基本構造

文の種類主語助詞の変化動詞の形
能動文動作主:母親が エマを褒めました
受身文動作の対象:エマが母親に褒められました

他動詞の受身 4つのタイプ

タイプ能動文受身文❶受身文❷
① 基本の受身母親がエマを褒めたエマが母親に褒められた
②「~に~を」がある警察がエマに名前を聞いたエマが警察に名前を聞かれた
③「~を~に」があるエマが友だちをパーティーに招待した友だちがエマにパーティーに招待された
④持ち物の受身泥棒が私のかばんをとったかばんが泥棒にとられた私は泥棒にかばんをとられた

受身文の主語を整理しよう

もとの文受身文主語になるもの
基本の受身母親がエマを褒めたエマが母親に褒められたもとの文の動作の対象
持ち主の受身泥棒が私のかばんをとった私は泥棒にかばんをとられたもとの文の持ち主
間接受身(自動詞)雨が降ったトモミは雨に降られた新しく加わった人
間接受身(他動詞)買い物客が卵を買った私は買い物客に卵を買われた新しく加わった人

一発理解|受身文

🗝 鍵カード

鍵:受身文の鍵

🖌 イラスト図解集

母親がエマを褒めました。

エマが母親に褒められました。

受身の場面

持ち物の受身

トモミは雨に降られました。

私は買い物客に卵を買われました。

参考書籍|もっと詳しく学びたい方へ

当サイトで参考にしている文献は、こちらにまとめています。

参考文献一覧はこちら

このテーマをさらに詳しく確認したい方には、こちらの書籍も参考になります。

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