受身文の作り方・助詞の変化・間接受身|図解・イラスト付き受身表現まとめ【日本語教師向け】

受身文の作り方・助詞の変化・間接受身|図解・イラスト付き受身表現まとめ【日本語教師向け】 文型

概要

【能動文⇒受身文の主語と助詞の変化】

文の種類主語助詞の変化動詞の形
能動文動作主(母親)が 【エマ】を褒めました
受身文動作の対象【エマ】が(母親)に褒められました

【受身文の4タイプ一覧(他動詞)】

タイプ能動文受身文❶受身文❷
①〈B〉が〈A〉に+受身動詞母親がエマを褒めた〈エマ〉が〈母親〉に褒められた
②〈B〉が〈A〉に 〜を+受身動詞警察がエマに名前を聞いた〈エマ〉が〈警察〉に名前を聞かれた
③〈B〉が〈A〉に 〜に+受身動詞エマが友だちをパーティーに招待した〈友だち〉が〈エマ〉にパーティーに招待された
④持ち物の受身泥棒が私のかばんをとった私のかばんが泥棒にとられた私が泥棒にかばんをとられた

受身文の基本構造とつくり方

受身形の活用

受身形の動詞の活用についてはこちらの記事をご参照ください

受身形の作り方|I・II・IIIグループ別活用を図解でスッキリ整理|活用早見表付き【日本語教師向け】
グループ別にわかれる難しい受身形の活用。日本語教師向けに図解付きで整理しました。

受身文のつくり

はじめの文(能動文)を受身文にすると、動詞は受身動詞に変わります。

はじめの文受身文
動詞➡受身動詞
【はじめの文】
母親エマ褒めました

受身文
エマ母親褒められました

はじめの文では動作の主体(母親)を主語にしていますが、

受身文では動作の対象エマ)を主語にしています。

助詞の変化を一覧でチェック!

※動作の主体(動作主)…その行為をする人。
※動作の対象…その行為を受ける人。

はじめの文(能動文)
主語➡動作の主体
助詞「が」→「に」
※能動文では「が」
※受身文では「に」
受身文
主語➡動作の対象
助詞「を」→「が」
※能動文では「を」
※受身文では「が」
文の種類主語助詞の変化動詞の形
能動文動作主(母親)が 【エマ】を褒めました
受身文動作の対象【エマ】が(母親)に褒められました

どちらの立場で話すかで主語が変わるんですね。

他動詞の受身文のパターン4つ

ー動作の主体 ー動作の対象

他動詞の受身文①

「が」「に」/「を」「が」

母親エマ褒めました。
エマ母親褒められました。

 

他動詞の受身文②

「が」「に」/「に」「が」/「を」「を」

警察エマ名前聞きました。
エマ警察名前かれました。

 

他動詞の受身文③

「が」「に」/「を」「が」/「に」「に」

エマ友だちパーティー招待しました。
友だちエマパーティー招待されました。

 

 他動詞の受身文④※持ち物の受身

「が」「に」/「を」「が」/ 対象の持ち主が主語

泥棒私のかばんりました。
私のかばん泥棒られました。
➡私泥棒かばんられました。

※「私のかばん」 の立場で話すよりも「私」の立場で話した方が自然な場合、「かばん」の持ち主である「私」が受身文の主語になる。

タイプ能動文受身文❶受身文❷
①〈B〉が〈A〉に+受身動詞母親がエマを褒めた〈エマ〉が〈母親〉に褒められた
②〈B〉が〈A〉に 〜を+受身動詞警察がエマに名前を聞いた〈エマ〉が〈警察〉に名前を聞かれた
③〈B〉が〈A〉に 〜に+受身動詞エマが友だちをパーティーに招待した〈友だち〉が〈エマ〉にパーティーに招待された
④持ち物の受身泥棒が私のかばんをとった私のかばんが泥棒にとられた私が泥棒にかばんをとられた

自動詞でも受身文はできる?間接受身とは

そういえば、動作の対象を持たない自動詞は受身文にできないの?

日本語では、自動詞から作る受身文のことを「迷惑/被害の受身」と呼ぶことがあります。これは主語が迷惑や被害を受ける意味を含む受身文です。

間接受身」とも言われます。

ちなみに、他動詞・自動詞両方で用いられます。

「迷惑・被害の受身」とは何か?例文でイメージしよう

自動詞の間接受身

「が」「に」/ 新たな主語が加わる

降りました。
トモミられました。

単に「雨が降った」という出来事を迷惑に思った人物「トモミ」が受身文の主語(主題)になる。

他動詞の間接受身

「が」「に」/「を」「を」/ 新たな主語が加わる

買い物客買いました。
買い物客われました。

単に「買い物客が卵を買った」という出来事を好ましくないと思った人物「私」が受身文の主語(主題)になる。

間接受身というのは、

直接影響を受けるわけではなくてある出来事第三者が「嫌だなあ…って思うことなんだね。

あとは、新たな主語が加わるというのも特徴の一つなのかな。

それで言うと、「他動詞の受身文④※持ち物の受身」で出てきた「➡私が~」の文も間接受身の一種であると言えるかもしれませんね。

間接受身
※「迷惑/被害の受身」と呼ぶことがある。
自動詞・他動詞の両方で用いられる。
新たな主語が加わる。

【他動詞・自動詞の見分け方についてはこちら↓↓】

自動詞・他動詞ってどう違う?簡単に見分けるコツ【自他①見分け方編】
「この動詞って自動詞?他動詞?」と迷ったことありませんか?日本語教師向けに、自他の見分け方のポイントをイラスト付きで紹介します。

 

参考文献はこちら

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