ウチとソトの違いを図解＆イラストで徹底解説｜敬語の使い分けを家庭・学校・職場で比較！授受表現にもつながる

敬語を使う場面に関わる人間関係は、大まかに三つに分けられましたね。

前回は②の「親疎関係」について説明をしました。

おさらいしておきましょう！

今回は「ウチソト関係」に注目しましょう！

そうですね。

そのような敬語のことを「相対敬語」とも言います。

日本語の特徴の一つでもありますね。

これが、今回の「ウチソト関係」の考え方ととても深くつながります。

そういう時もありますね。

ありますよ。

次の場面を見てください。

まずは、家での親子の会話です。

息子のタロウが父親に話しかけていますね。

タロウにとって父親は「ウチ」の存在ですから、とてもフランクな話し方です。

はい。

では、次は同じ人物で場面を変えてみます。

そうすると、少し様子が変わってきます。

ウチソト関係とは、

大まかに言うと、ある場面において「私（=話し手）」を基準に、周囲の人との心理的・社会的距離を捉える考え方のことです。

その通り。

同じ相手でも、場面によって「ウチ」にも「ソト」にもなり得る、

という柔軟な考えが必要です。

では、「学校」という場面でのウチとソトを考えてみましょう。

担任、生徒、山口先生は立場こそ違っても、同じ学校にいる仲間としてウチの感覚を共有しています。

そうですね。

それは、この「くれる」という授受表現が山口先生の「ウチ」感を薄めているのです。

このウチ同士の場面の中で、山口先生は完全なウチ扱いではない、つまり、ややソト扱いであることが以下のことからわかります。

では、相手が保護者の場合はどうでしょう。

保護者は「学校の外部の人（ソト）」、学校の先生たちは「学校の内部の一つのチーム（ウチ）」。

先生たちは「ウチ」の代表として、「ソト」の人（保護者）に丁寧に話します。

「ご紹介にあずかりました」は、紹介された時に自分が使う丁寧な言い方で、フォーマルな場面でよく使われます。

そうですね。まるで「お客様」に対応する時のような気持ちが表れています。

そして、保護者の立場から見ても、先生は「ソト」の人。

だから、生徒みたいに「やったー！」なんてフランクには話しませんね。

ウチとソトは固定の関係ではありません。

だからこそ、日本語では関係性や場面に応じた丁寧な言葉遣いが大切にされているのですね。

実は、それだけじゃないんです。

先ほどの学校の場面でもみたように、授受表現を使う時にもこのウチソトの感覚がとても役に立ちます。

そうですね。

「くれる」というのは、ソト→ウチへの流れでした。

では次回は、ウチソト関係の視点から授受表現を整理して考えてみましょう！