この記事はこんな先生におすすめ

文を“主語”から説明していませんか?
✔ 主語を中心に文を説明している
✔ 述語の役割をうまく説明できない
✔ 助詞の使い分けがバラバラに見える
✔ 文の構造を体系的に整理したい
1分で読めるまとめ版
〇述語は文の王様
・述語だけで文が成立する(「食った」「好きだ」「暑い」「雨だ」など)。
・日本語は高コンテクスト言語なので、主語や目的語が省略されても通じる。
〇英語との違い
・英語は低コンテクスト言語で、必ず主語がいる。
〇述語は必須成分を要求する
例)「食べる」
=主体(が)+対象(を)
例)「結婚する」
=主体(が)+相手(と)
例)「紹介する」
=主体(が)+対象(を)+相手(に)
〇任意成分もある
・場所(で)、手段(で)、一緒に(と)などは、加えてもいいが必須ではない。
●ポイント:
・文を理解する第一歩は「述語」を押さえること。
・述語が決まれば、どんな格助詞が必要かも見えてくる。
述語ってそんなに大事?格助詞との関係に注目

実は「①「は」主題編」の記事の時から、ずっと引っかかってることがあるんですけど…。
初歩的な質問かもしれないけどいいですか?

もちろんです。助詞の問題はややこしいので…

いいえ、それが、助詞の話じゃないんです。
格助詞の働きの説明の時に、やけに「述語」という言葉が出てくるなと思って。
「述語」って格助詞を決める時にそんなに重要なんですか?
主語の方が大事な気がするんですけど…。
【以下、「①「は」主題編」の記事より抜粋】
【格助詞とは…】
・9つある。「が、を、に、から、と、で、へ、まで、より」
・述語との関係を表す。
・名詞+格助詞の構成で、述語の意味を補っていく。

本当だ。
まるで「述語」の為に格助詞たちがいるような…。
述語だけで文は成立する?日本語の“高コンテクスト”な仕組み

その通り!
述語は、文の王様ですよ。

またまた、大げさな~。

本当ですよ。
だって、述語だけで文は成立するんですから。
これは日本語の特徴の一つと言えます。

えっ?

例えば、これ。


あっ。

これも。


ああっ。

こういうのも。


形容詞も名詞(+だ)も動詞もすべて述語になるし、
それだけで意味が通じるのね。

文脈(コンテクスト)があれば、主語や目的語が省略されても意味が通じます。
これを「高コンテクスト」と言います。
つまり日本語は、文脈重視の「高コンテクスト言語」というわけです。

ふ~ん。
でも、言葉ってそんなものじゃないの?

普段、私たちはこの感覚に慣れていますが、述語だけでは伝わらないよっていう言語もあります。
その代表的なものが英語。絶対に主語が必要です。
英語は「低コンテクスト言語」です。
✓ 日本語 → 高コンテクスト(主語や目的語の省略可)
✓ 英語 → 低コンテクスト(主語が必ずいる)
格助詞を伴う述語の必須成分とは?

そうは言っても、述語だけですべてOKというわけでもありません。
日本語の述語は、何の違和感もなく文が成立するための
格助詞を伴う必須成分を要求します。

述語が、格助詞を、要求する…?
何か大物感出てきた。

そうです。王様ですから。
たとえば、「食べる」という動作で考えてみましょう。
「食べる」を述語としたら、そこにはどんな情報が必要でしょうか。

うーんと、「何を食べるか」「誰が食べるか」はあった方がいいよね。

その通り。
「食べる」に必須な情報は、主体と対象。
つまり、主体と対象であることを示す格助詞がついた名詞が必須なんです。
【食べる】の必須成分―主体、対象
エマが ラーメンを 食べる。


それなら
「誰と食べるのか」や「どこで食べるのか」という情報も入れた方がいいんじゃない?

確かに、「食べる」に関する情報が増えると内容も深まりますね。
ただ、それらは「食べる」の成分ではありますが、必須ではありません。
【食べる】の任意成分―相手、場所など
エマが 弟と らうめんさんで ラーメンを 食べる。


なるほど。
相手を表す格助詞「と」がつく成分は、述語にとって必須ではないわけだ。

必ずしもそうとは限らないですよ。
「結婚する」という動作を表す述語は、格助詞「と」がついた名詞(相手)を要求します。
【結婚する】の必須成分―主体、相手
ゴンが ハルカと 結婚する。


それで言うと、「紹介する」という動作を表す述語は「~が ~を ~に」が必須成分になるね!
まずは述語を押さえよう!文の理解はここから始まる

述語が王様だというのも頷けるよ。

王様さえいれば、国としてのかたちは一応保てる。
でも、家臣という支えがあってこそ、その国に厚みや安定が生まれる。
文も同じで、述語さえあれば形式的には成立する。
でも、その他の成分の支えがあることで、深みや強さを持った文になる。

だからこそ、日本語の文を理解する時は、まず述語を押さえることが大切なんです。
1分で読める整理表
述語の必須成分・任意成分の整理表
| 述語 | 必須成分(格助詞) | 任意成分(格助詞) | 例文 |
|---|---|---|---|
| 食べる | 主体(が) 対象(を) | 相手(と) 場所(で) | エマがラーメンを食べる |
| 結婚する | 主体(が) 相手(と) | 場所(で) 時(に) | ゴンがハルカと結婚する |
| 紹介する | 主体(が) 対象(を) 相手(に) | 時(に) 場所(で) | 先生が学生を校長に紹介する |
参考記事
「主題『は』」の記事はこちら

「助詞『が』」の記事はこちら

【参考文献はこちら】


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